代表作が一堂に集まり、黒田辰秋の生涯をたどる回顧展「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋ー木と漆と螺鈿(らでん)の旅ー」が12月17日に、京都国立近代美術館(京都市左京区)にて開幕した。開幕に先立って16日には報道関係者向けの内覧会が行われた。
同展は黒田辰秋の生誕120年を記念して開催された。初期から晩年までの代表作を通じて、日本工芸史に足跡を残した作家の生涯や造形思想を紹介する。
展示説明で主任研究員の大長智広さんは「黒田=木というイメージがあるがそれ以前に塗師屋(ぬしや)である。この展覧会を通して、木の作家であるだけではないことを知っていただきたい」と語った。
展示は「第1部 黒田辰秋の軌跡『黒田辰秋 人と作品』より」「第2部 用と美の邂逅」の全2部で構成。京都会場のみの展示や初公開の展示も含まれている。
「第1部 黒田辰秋の軌跡『黒田辰秋 人と作品』より」では、黒田自身が「工芸を志す一人の人間の約半世紀の生活記録」と評した「黒田辰秋 人と作品」に掲載されている作品やその類品を通じて、およそ製作年代順に黒田辰秋という一人の創作者の創造の軌跡を紹介する。
「第2部 用と美の邂逅」では「民藝(みんげい)」「木」「塗」「螺鈿」のそれぞれから黒田の仕事の特徴を読み解いていく。
同展の会期は2025年3月2日まで。開館時間は火曜〜日曜午前10時〜午後6時(金曜日は午後8時まで開館)。入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日、12月29日~1月3日、1月14日、2月25日。入館料は大学生の場合500円。詳細は公式サイトを参照。公式サイトhttps://www.momak.go.jp/