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【社説】抽選科目の取り扱い、見直しを

本学では新学期の開講前に抽選科目の登録期間が設けられている。抽選科目では、受講希望者数が定員を超過した場合は抽選が行われ、抽選に外れれば希望する科目を受講することができない。果たして抽選科目という存在は多くの学生から納得を得られるものだろうか。

本学学友会が行った「2022年度全学学生アンケート」の回答結果集計報告書によると、回答者の6割以上が教養科目の抽選に外れた経験があることがわかる。また記述式回答では、教職課程の必修科目などが抽選科目であることに批判的な意見が見られた。2022年度全学協議会においては、教学のDX化による抽選科目の可能性について言及され、より多くの学生が受講するために、対面とオンラインのハイブリッドの形態で授業を行えば受講者数の枠が広がるとしつつも、教員1人当たりの適正な受講者数という観点から見れば限界があり、慎重な判断が必要だという見解が述べられた。そして今年の「2023年度全学学生アンケート」では、回答者の8割以上が抽選科目の抽選に外れた経験があると答え、記述回答では「自分が学びたい授業を受講することができなかった」という回答も見られた。これらのことから、抽選科目に対する学生の現状や抱く不満にはこの1年であまり変化が見られず、決して学生と大学が足並みを揃えているとは言い難いのではないだろうか。

受講定員を単なる教室の収容人数の面だけではなく、教員に対する負担の面から考えるということには、一定の理解が得られるだろう。しかし、例年人気が集まる科目は学部や回生ごとに複数のクラスを開講して受講希望者を分散させるなど、改善の余地はあると考える。

本年度も残すところわずかとなった。大学生活において、講義は自分の興味・関心を広げる場である。来年度以降のより良い学習機会の提供のためにも、抽選科目の在り方について大学と学友会はさらなる議論を重ねていく必要があるだろう。

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