昨年11月23日にパリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会において、2025年国際博覧会(万博)が大阪で開催されることが決定した。
国内で大規模な万博が開催されるのは2005年の愛知万博以来で、大阪では1970年以来55年ぶりの開催となる。
2025年大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」で5月3日~11月3日までの半年間開催され、約2800万人の来場者を想定している。
大阪で万博を開催する理由について大阪府政策企画部万博誘致推進室事業調整グループの勝見友一さんは「万博開催により2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降も日本の経済成長を持続させることができる。また、万博は一過性のイベントではなく、世界中から集まった人々が交流し、知恵を出し合うことによって技術革新が進み、人類共通の課題を解決するきっかけとなる」と語る。
2025年の大阪万博は、発展途上国では寿命延伸、先進国では健康寿命の延伸などといった健康・長寿に関する目標など、広く人のいのちに関わる課題を人類共通の課題として設定している。勝見さんは「関西は家電や、医薬、医療などの健康・長寿に関しては強みがある。そういったものを世界に発信していきたい」と語り、テーマに関しては「それぞれの人がいのちを輝かせるような社会を実現していきたい。また、国連の開発目標であるSDGsをこの万博を契機に達成していけるようにしたい」と語った。万博により、健康・長寿関連分野の新技術の開発やそれによる消費の拡大が期待される。
大阪万博では「未来社会の実験場」として新技術を発信する。自動運転や新たなエネルギーを活用した大量輸送システム、企業の技術・サービスを滞在しながら体験することができる施設が設けられる。
来場して展示物を見るだけではなく、実際に参加・体験することができるサービスが展開される。また、健康・長寿に関連する「笑い」「スポーツ」「食」など、子どもや若い世代の人々も楽しめる体験も企画されている。(石井)
※記事中の写真は経済産業省作成