本学は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、今年度春学期の授業形態一部見直しを決定した。この動きに伴い、各教授が授業形態の変更に対応を求められている中、本学生命科学部木村修平准教授に話を聞いた。
木村准教授が運営に携わっている「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」は現在、生命科学部をはじめ4学部で展開されている。PEPの根幹はプレゼンテーションとITの活用であり、授業では学生自身の興味・関心をリサーチ対象としてプロジェクト化し、その成果をアカデミックフォーマットに基づいて発表するという流れを基本にしている。またPEPの授業ではwebだけでなく、Office365やmanaba+Rを積極的に利用するなど、リサーチから成果発表に至るまでICTをフル活用している。そのため受講生の90%以上がノートPCを授業に持ち込んでいる。
新型コロナウイルスによる授業形態の変更に対して木村准教授は、「これまで教室内で行っていた活動を可能な限りオンライン化しようと考えている。PEPは全学的に見てもICTの活用レベルが高く、オンライン化しやすい部分が少なくない。例えば1回生春学期開講の「プロジェクト英語1」であれば、オンラインで受講生にスライドや発表原稿を提出してもらい、可能であれば発表の様子をスマホなどで録画してもらうことも視野に入れている」と話す。一方でオンライン化の限界についても言及し、「隣同士に座るクラスメイトでアイデアを出し合うといった物理的な空間では容易なコミュニケーションが難しくなると考えている。また、プレゼンテーションや質疑応答の際のライブ感を完璧には再現することができないというデメリットがある。その上でオンライン化によって得るもの、失われるものを冷静に見極め、改善を重ねるしかない」と語る。
授業形態の変更に際して学生側に求める対応については、スマホに慣れていてもパソコン操作に不慣れな学生が多いという現状に触れ「画面が小さく、単一のアプリしか表示できないスマホでは大学レベルのオンライン教育に十分に取り組むのは難しいため、ぜひこの機会にノートPCを使いこなせるようになってもらいたい」と述べる。