紙面より

本学将棋研究会が団体2冠達成 「諦めの悪さ」生かして快挙

大学将棋の団体日本一を決める全日本学生将棋団体対抗戦(学生王座戦)が昨年12月24日から26日にかけて三重県四日市市文化会館(三重県四日市市)で行われた。本学将棋研究会は優勝を果たし、昨年9月に開催されたトリプルアイズ杯での優勝と合わせて団体2冠を達成した。

学生王座戦は7人制の総当たりのリーグ戦で、全国の代表10校が参加。4勝以上した大学が勝ち点1を得て、その勝ち点で順位を争う。

当時、主将を務めていた本田竜大(りゅうと、経済4)さんは、「団体2冠は、この研究会の約30年の歴史の中でも、2回しか達成したことがない。そういった点においてもこの目標は自分にとって特別なものだった」と語る。

対局中の本田さん(右)(同会提供)

トリプルアイズ杯で優勝したことで、他大学からより戦法を研究されている中で挑んだ学生王座戦。比較的に対策がされていない低回生の育成に力を入れるなど、選手の層を厚くすることを意識して練習してきたという。

同会は、1回戦から5回戦まで圧倒的な強さを見せ勝利を重ねたが、続く6回戦で東京大に敗北し、勝ち点を奪われてしまった。

6回戦での敗北により、チームの士気はかなり下がってしまっていた。その際、チームメイトの一人の「チームとして責任を背負っている以上、簡単に諦めてはいけない」という発言に大きく励まされたという。

本田さんは「気持ちを強く言ってくれたことで、チームとして勢いを取り戻すことができた」と振り返る。

また、オーダー変更も重要なポイントだったと現主将の市川開(はるき、経済3)さんは話す。

市川さんは、本田さんらと話し合いオーダーを決定する役割を担っていた。東京大戦では、主力となる3・4回生が全員出場したが敗北。このことを踏まえ、その後は調子の良い1・2回生を試合に出すことにしたという。

その結果、7回戦と8回戦共に勝利を収めることができた。チームメイトの力強い声掛けや、厚い選手層づくりを目指してきた成果が表れたことが勝利につながった。

盤面を見つめる市川さん(同会提供)

最終局となる9回戦では早稲田大と対戦。勝利した方が優勝という手に汗を握る展開となった。

「泥臭さ、諦めの悪さ」を持ち味に戦ってきたという同会。最後まで粘り強く勝利を目指し、見事早稲田大を破って優勝を手にした。

9回戦を振り返って、緊張はいい意味でしていたと本田さん。「6回戦で一度負けを経験したことでどのような状況になったら危ないのか、逆に負けないのかということを明確にできた。おかげで負けに対するプレッシャーを感じることなく挑めた」と話した。

盤面がいくつも並び白熱した空気の大会の様子(同会提供)

今後について、市川さんは個人としてもっと実力を付けていきたいとした上で、「チームのメンバーがどういった将棋をするのか誰と相性がいいのかといった、一人一人の傾向をきちんと把握できるようにしたい」と語った。

また、チームについて個人が負けてしまったり調子を落としてしまったりしている際に、雰囲気が悪くなってしまうことがあると話す。「互いに励まし合って、それぞれが自信を持てるようなチームづくりが目標」と未来を見据える。

本田さんは、「個人戦でも優勝を果たすなど達成したい目標はあるが、やはり団体戦への思いが強い」と話す。「今回は2冠を達成することができたが、まだまだ改善する余地があると思う。培ってきたものを生かしてまた2冠を目指せたら」と意欲を見せた。

二人のますますの活躍が期待される

 

(吉江)

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