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産社でピア・サポート 新入生支援、「エンター」に代わり

本学産業社会学部で4月、同学部生のボランティアで組織される「産業社会学部ピア・サポーターズ」が発足した。他学部における「オリター」の役割を担い、学生主体で新入生を支援する。

同学部では、新入生支援を担う「エンター団」が活動停止状態だ。学部生同士で相談できるようなつながりが薄く、また各学部のオリター団が合同で主催するイベントにも参加できなかった。

学部と学部自治会による協議の中で、学生間支援の重要性を確認。エンターに代わり新入生を支援する新たな団体、学部生同士が助け合う互助組織の設立を目指した。

企画で新入生(手前)と交流するピア・サポーター=4月11日

発足したピア・サポーターズは、新入生の学生生活への適応を支援するため、各種企画を行う。4月3日に行われた新入生ガイダンスに同席し、受講登録について学生目線でアドバイスした。同月11日に開催した企画「さんしゃ生の4年間」では、学部のプログラムや学生生活について紹介。150人が集まった。

今後、オリター団と共同した企画にも参画する。

メンバーは4月時点で2回生から4回生の23人。産業社会学部と同学部自治会が共同で管轄する。自治会は、同会の内包組織を目指して協議を重ねる方針だ。

現状について「課題は山積みだ」とピア・サポーターズ代表の東志歩さん(産社4)。組織の土台は未完成で、一部のメンバーに負担が集中する傾向もあるという。「一から作った活動を根付かせ、次の世代につないでいくのが重要だ」と意気込んでいる。

◇ ◇ ◇

同じ境遇の学生同士で支え合う活動は「ピア・サポート」と呼ばれる。「peer(ピア)」は「仲間」の意。支援を必要とする下級生を、研修を受けた上級生が助ける。

本学はその先駆けとして知られている。現在まで続く「オリター」(オリエンテーション・コンダクター)の活動は、1960年代に学友会が自発的に始めた新入生支援活動に由来する。91年の全学協議会で、正式に新入生支援の制度に組み込まれた。

産業社会学部では「エンター」として、オリターと同様に新入生支援を担ってきた。

しかし、2017年のサブゼミアワーやクラス合宿でエンターによる不適切な行動があったことが、学部による調査で発覚。同年度の基礎演習・サブゼミアワーへの参加を禁止された。

性的な表現や人をさげすむ表現を用いる、任意の男女に告白を演じさせるなど、数々のハラスメント行為が「ひどく人を傷つけかねない」と判断されたためだ。

このとき学部は、ピア・サポートの重要性を考慮し、エンターの活動禁止や解散を命じなかった。エンター自身が「基礎演習にふさわしい支援者」を考え、行動に移すことを期待し、指導と援助に取り組んでいくとしていた。

(小林)

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