立命館憲章の改正案を巡り、立命館大学教職員組合の機関紙「ゆにおん」は3日、「全構成員が納得できない限り、改正すべきではない。記念式典での公表ありきの日程を見直し、議論の時間を十分確保すべきだ」とする執行委員長や書記長ら組合四役の見解を伝えた。
「現行憲章の持つ普遍性と、それに込められた理念を丁寧に解説し、時代に即した新たな側面を加える形で補完するというアプローチこそが、全構成員の理解と納得を得る最善の道だ」と主張している。

同紙で組合四役は、改正プロセスの透明性と合意形成に不備があると懸念を示した。教職員組合に当初、一切の説明や意見聴取がなかったことに、組合四役は強い遺憾の意を表明。「学園民主主義の原則に反するものと言わざるを得ない」と訴えた。
また改正の背景にある社会情勢の変化について一定の理解を示しつつ「現行憲章の持つ普遍的な理念は、そうした変化にも十分対応しうる柔軟性を持ち合わせているはずだ。なぜ今改正するのか、納得できる説明を尽くすべきだ」とした。
具体的な改正案については「第2次世界大戦後、戦争の痛苦の体験を踏まえて」「私立の学園であることの特性を活かし、自主・民主・公正・公開・非暴力の原則を貫く」「確かな学力の上に豊かな個性を花開かせ」といった文言は削除すべきではないと主張する。
このほか、「中学生でも解説があれば理解できる内容」としているが「創発性」「次世代研究大学・次世代探究学園」の文言は分かりにくいと指摘。文言を削除せず解説版を作成すれば、全構成員に伝わるとした。
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組合四役が憲章の改正についての説明を学園に求めたことを受け、5月27日に説明会が開催された。
説明で組合は、学園からの説明が遅れたことについて「全学協議会構成パートである教職員組合を軽視していると考えざるを得ない」と主張した。
立命館の高山茂副総長=「立命館憲章」改正検討委員会・元委員長=は「重要なパートとしての捉え方が留意できていなかったということについて、ご指摘はその通り」と認めたという。
「ゆにおん」の中で組合は、「多様性」を掲げる学園の民主的な運営に深刻な課題があるとする見解を示した。
(小林)
さすが立命館教職員組合。
頼りになります。