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衣笠で「グリスロ」活用 電動自転車も、地域周遊の足に

1日に開催された「KINUGASA ART VILLAGE FESTIVAL(衣笠アートヴィレッジフェスティバル)」では、時速20キロ未満で走行する小型電動車両「グリーンスローモビリティー」(グリスロ)や電動自転車の活用が進んだ。アートを軸とした街づくりを目指し、本学が始動した「KINUGASA Redesign Project(衣笠リデザインプロジェクト)」では、衣笠に点在するアート拠点をつなぐため、グリスロのさらなる活用が検討されている。

衣笠キャンパスを巡ったグリスロ=1日、京都市北区・衣笠キャンパス

■「らくらく乗り降り」子どもに人気

「手ごたえは想像以上。おかげさまで大盛況だ」。

ヤマハ発動機でグリスロを担当する込宮正宏さんは、笑顔を見せた。

衣笠キャンパスでは、キャンパス内をグリスロで巡る企画が午前10時から行われた。車両は、ヤマハ発動機の小型電動カート(7人乗り)。乗降場所は、恒心館前と以学館前の2カ所。当初は30分ごとに運行する計画だったが、実際に運行を始めると家族連れで列ができ、急遽増発していた。

グリスロの魅力の一つは、乗り降りのしやすさだ。車体は低床でドアがなく、停車すると「スッと乗って、スッと降りられる」(込宮さん)。開放的な景色を楽しめるのも特徴だ。

また走行中は、音声ガイドで乗客を案内した。全地球測位システム(GPS)などを活用し、場所に合わせたガイドを流した。歴史を知って、キャンパスを楽しめる工夫だ。

5月9日に前もって行われたテスト走行で用いられたグリスロ=京都市北区・衣笠キャンパス

車両の2列目の座席に、記者が試乗した。

乗った区間は、以学館前から平井嘉一郎記念図書館前を経由し、恒心館前に至るルート。運転手がアクセルを踏むと、スムーズに走り出した。走行はゆっくりで、学生の歩みより多少速い程度。手荷物があっても楽々と移動できた。

車両は想像以上に周囲の人の注目を集めていた。すれ違う子どもたちも興味津々な様子だ。

雨の中、平井嘉一郎記念図書館の前をテスト走行したグリスロ=5月9日、京都市北区・衣笠キャンパス

電動車両の走行音はかなり静か。運転席にいるヤマハのスタッフや、前の座席にいる乗客とも気軽に会話できた。開放的で、車外にいる人とのコミュニケーションも可能だ。

移動そのものを楽しめる、新しい観光体験になるかもしれない。

(小林)

■学生ガイド同乗で仁和寺ツアー

真言宗御室派総本山・仁和寺(京都市右京区)でも、グリスロで境内を巡るガイドツアーが行われた。「立命館大学神社仏閣ボランティアガイド」として活動する本学学生が同乗し、参加者は30分ほどで五重塔などを回った。

境内を走る電動カート。最前列右側が学生ガイド=1日、京都市右京区

ガイドを務めた椙江将大さん(法3)は、「歩いてのガイドに比べ、スピードが速く、席によって見えているものも違うので話し方を工夫した。普段と違うコースを回ることができ、僕らとしても勉強になった」と振り返った。

同じくガイドの安野幹人さん(文3)はグリスロの導入に期待を寄せる。「高齢の方や、足が不自由な方にも楽しんでもらえ、境内のバリアフリーを目指せる。ガイドが同乗することでより付加価値が付けられる」と話した。

(井本、津田)

■電動バイクで周遊快適

修学館東側では、1回の充電で1000km走る電動アシスト自転車や、ペダルで漕がなくても楽に進む電動バイクなどが貸し出され、無料で衣笠地域を周遊できた。

多種多様な電動バイクを借りる学生=1日、衣笠キャンパス (Future提供)

企画は、全国の観光地などで多種多様な電動モビリティシェア事業を展開する「Future」(東京都港区)が担った。

貸し出されたのは、電動アシスト自転車「FUTURE1000」や16歳以上免許不要で乗れる特定小型原付「FUTURE META 20」、3輪特定小型原付「GOGO!R」。今回の利用者は大人が多く、「普通の自転車と比べて楽で楽しい」と好意的な感想もあったという。

当日貸し出された電動バイク「FUTURE META」=1日、衣笠キャンパス(Future提供)

担当者の林田さんは利用者に対し「衣笠エリアは坂も多く、通常の自転車では周遊は大変。最先端電動バイクで楽しんでもらえれば」と語った。

(真田)

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