学校法人立命館は1日、起業・事業化の支援や人材育成を進める施設「グラスルーツイノベーションセンター」(GIC)を、本学びわこ・くさつキャンパスの正門付近にオープンした。
オープンしたグラスルーツイノベーションセンター=7月28日、滋賀県草津市・BKC地域の課題への実践・解決による社会共生価値の創造を目指し、「草の根」を意味する「グラスルーツ」と「イノベーション(革新)」をかけ合わせて名づけられた。設置にあたり、経済産業省の「地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点の整備」事業に採択され、建築費・設備費などの補助を受けている。
GICは、学生・研究者・企業などによるイノベーションの共創▽スタートアップなどの事業化推進による社会実装の加速▽STEAM教育=①=やアントレプレナーシップ(起業家精神)教育を通じた、挑戦する創発性人材=②=の育成――を掲げている。
①STEAM教育 科学(Science)▽技術(Technology)▽工学(Engineering)▽芸術・リベラルアーツ(Arts)▽数学(Mathematics)――の5つの分野を対象とした統合的・創造的な教育。
②創発性人材 他者と協働しながら新たな価値を創り出していく人材。学園ビジョン「R2030」では「次世代研究大学の実現」と共に、「イノベーション・創発性人材の育成」が目標に掲げられている。
2階には、大学発スタートアップや学生・研究者のプロジェクトなどが入居するラボや、実験・試作機器を共同で利用できるスペースを設け、インキュベーション(起業支援)によるスタートアップの創出を狙う。
また1階に設けられたコワーキングスペース(仕事や作業に共同で使える場所)は、教育プログラムなどのイベント・ワークショップでの利用が想定されている。またイーストウイングにあった「AIOL(All In One Laboratory)」を拡充移転し、共用のFabラボ「GIC Fab」(約500平方メートル)として開設する。
ラボに並べられた3Dプリンターなどの工作機械=7月28日、滋賀県草津市・BKCラボは、機械工作や電子工作に用いる、レーザーカッターや3Dプリンター、デジタル刺繡ミシンなどを備える。スタッフが常駐しており、アイデアの具現化を支援するほか、STEAM教育などのプログラムの運営も担うという。
ラボの広い作業スペースには、デジタル刺繡ミシンなどが設置されている=7月28日、滋賀県草津市・BKC立命館の高山茂副総長は「GICは、事業化の『シード期』を支援する。知をつなぎ、社会に生かし、価値創造に向けて挑戦する人を育てる。そういう建物にしたい」と意気込む。
「GIC Fab」でレーザーカッターを紹介する高山副総長=7月28日、滋賀県草津市・BKCまた立命館の起業・事業化推進室・仲西正次長は「(GICには)アイデアを研ぎ澄まし、チャレンジを後押しできる環境が揃っている。チャレンジしたい、刺激を受けたいという学生は、イベントに参加してほしい」と期待している。
(小林)
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