大阪メトロ中央線延伸区間が2025年1月19日に開業する。区間は、大阪市住之江区のコスモスクエア駅から、同市此花区の夢洲(ゆめしま)駅までの約3.2キロメートル。
北港テクノポート線(コスモスクエア駅―新桜島駅間(仮称))の整備は、臨海部のアクセス強化を図り、交通需要に対応することが目的だ。臨海部に立地する天保山、築港、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などの集客施設間での回遊性の向上や、夢洲地区における新たな国際観光拠点の形成を目指す。それにより、臨海部全体の魅力が向上し、やがては関西・西日本全体の活性化につながるという。
夢洲全体のまちづくり方針や土地利用等に関して、大阪市は2017年に、「夢洲まちづくり構想」を策定。その中で、夢洲地区では統合型リゾート(IR)を中心とした新たな国際観光拠点を形成し、それを支える都市基盤として、今回の延伸区間である北港テクノポート線(コスモスクエア駅―夢洲駅間)の整備などにより、臨海部へのアクセス強化を図ることとした。
また、夢洲ではすでに高規格コンテナターミナルを中心とした国際物流拠点を整備している。国際観光拠点と国際物流拠点のそれぞれが十分な機能を発揮するためには、鉄道の整備による物流と人流の分離など、夢洲の交通負荷を分散し物流を効率化するとともに、周辺道路網に与える影響を軽減することが必要だという。
夢洲では来年4月から大阪・関西万博が開催される。万博開催期間中については、1日当たり12.9万人が夢洲駅を利用して万博へ来訪すると想定。それに伴い、朝夕のピーク時間帯を中心に、列車の本数が1時間当たり最大で現行の1.5倍に増強される。
主要乗換駅となる弁天町駅、本町駅などでは、乗り換え経路の一方通行化▽待合室やベンチ、自販機などの撤去・移設▽通路やホームの床面への案内シートの設置――などさまざまな混雑対策が行われる予定。また、大阪メトロ中央線は近鉄けいはんな線と相互直通運転を実施しており、万博開催前後及び開催中に、両路線において乗り入れを前提に運行を計画しているという。