Beyond Borders Plaza（BBP）は衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス（BKC）、大阪いばらきキャンパス（OIC）の各ャンパスにある、国際交流や言語学習を中心としたグローバルコモンズ。放課後、BBPには多国籍の学生たちが集まり、コミュニケーションを楽しんでいる。「言語学習に力をいれたい」という学生は少なくないものの、自身の言語能力に不安を抱えBBPに入るのをためらってしまう学生もいるだろう。今回は、衣笠キャンパスのBBPの学生スタッフ2人にこれまでの自身の経験を基にBBPの魅力について話を聞いた。
BBPスタッフの田代優都さん（文学研究科M1）は、2020年の秋セメスターから活動を始めて今年で4年目。田代さんが本学に入学した頃、新型コロナウイルス感染症の流行の影響によってオンライン授業がほとんどであった。そのため、人と交流する機会がなく退屈だったと当時を振り返る。そんな中、manaba+Rのお知らせでBBPのオンラインイベントを知り、参加したという。田代さんは「色々な人と出会うことができて、とても楽しかった。初めは誰も知り合いがいなかったが、BBPのおかげで充実した学校生活になって救われた」と語る。また「コロナ禍で感じた、人とつながることの素晴らしさや日常の大切さをBBPスタッフとして他の学生にも伝えたい」とし、BBPでは中心メンバーとして活動する。
学生スタッフの前田さん（左）と田代さん（右）BBPでは普段の授業とは異なった言語学習の機会を提供している。例えば、外国語コミュニケーションルームでは、本学の外国語教員や他学生との交流を通した言語学習ができる。英語やドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語、朝鮮語、イタリア語などの7つの言語で開催されており、多い場合で10人以上の学生が参加するという。なお、留学生向けに日本語学習の機会も提供されている。学生スタッフの前田誠也さん（国関4）はコミュニケーションルームについて「参加する学生は国内学生だけではなく、その言語のネイティブの学生も参加している時もあり、目的は学生によって様々。学生や先生が互いにコミュニケーションを楽しめる時間になっている」と紹介した。コミュニケーションルームの時間割はBBPのホームページから閲覧できる。
BBPでは多くの言語に触れる機会を提供しているまた、さまざまなイベントが学生スタッフによって企画・運営されている。BBPでは現在36人のボランティアスタッフが活動中。グループに分かれて、定期的にイベントを企画するという。前田さんはお好み焼きパーティーが印象に残っていると話す。本イベントは衣笠キャンパスのカフェゆんげのキッチンにて開催された。前田さんは「国籍関係なく交流することができ、とても楽しかった」と振り返り「お好み焼きを作る過程や食材、トッピングなどのアレンジが多様で面白く、やって良かった」と言葉の壁を超えた交流ができたと話す。
お好み焼きパーティーの様子このように学生同士の交流が多く生まれるBBPは、Language Exchange Program（LEP）という、母語や得意な言語の異なる学生同士が言語パートナーとなって言語交換学習をする機会も提供している。本年度の春セメスターでLEPでペアになった坂本和輝さん（国関1）とZhang Chenln（チャン チェンル）さん（国関2）に話を聞いた。坂本さんとチャンさんは毎週BBPで会って話しており「周りも外国語を話しているから自然と英語を話そうと思える。日本ではないみたい」だという。チャンさんは「学部のコースを受けていると外国語を話すことに不安や緊張を感じるが、友達と話すともっと自由に会話ができる。それが自信につながる」と話した。
BBPの利用者たちLEPでは年間800組以上のペアが外国語の交換学習を実施。これまで累計72の国と地域の学生が参加し、26の言語の交換学習が行われているという。言語教育センター担当者は「自分の話せる言語を相手に教える貴重な機会。また、実施期間終了後も交流が続くなど、言語学習の枠にとどまらない国際交流の機会にもなっている」と話す。現在は毎学期の開始時に募集を行っており「興味のある方はぜひ応募してほしい」と呼び掛けている。
学生に多様な機会を設けているBBP。前田さんは「英語より日本語の方が得意な国際学生もいる。BBPは色々な価値観が交わり、固定観念を払拭できる場所。入るのに勇気がいるかもしれないが、遠慮せずに来てほしい」と呼び掛けた。
（西澤）
