本学衣笠キャンパスで20日、キャンパス見学会が開催された。その企画の中で、来年度設置されるデザイン・アート学部に関する説明会が以学館403教室で開かれ、オンライン含め190人近くの高校生、保護者などが参加した。
説明会の前半では、デザイン・アート学部を設置する背景や学部で学べるプログラムが紹介され、後半には、入試の概要を説明する時間が設けられた。質疑応答の時間では、終了時刻まで参加者が熱心に質問していた。
デザイン・アート学部に着任する中村大教授は説明会を終え「新しい学部に対する関心の高さを感じた」と振り返った。
説明会の会場となった以学館=20日、衣笠キャンパス◇ ◇ ◇
本紙の取材に中村教授は、本学でデザイン・アートを学ぶ意義として衣笠キャンパス構内にあるアート・リサーチセンターの存在を挙げ、豊富な文化資源と国際的なネットワークが生かせると本学ならではの強みを強調する。
デザイン・アート学部には、細分化された専攻が設けられない。中村教授は目的について「(学生に)幅広い選択肢を残し、学生一人一人の関心とビジョン(未来像)に合わせた学びのデザインを自ら行える環境をつくりたい」と説明した。
学部の構想について「元々は一体であったデザインとアートが、最近ではデザインは課題解決に、アートは創造的な表現に分かれている。一体の方が創造的な活動ができる」と述べた。
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中村教授は「デザイン・アートは普段の生活の中でも行われている」と語り、身近な例として「部屋のデザイン」を挙げる。自分の生活空間をつくるときは、デザイン・アートをしているという。
単に機能的なものだけでなく、飾りや遊びといった個人の感性も部屋に反映されると話し、「機能と感性が合わさった空間にいると、モチベーションが高まったり、安心したり、リラックスできる。これがデザインとアートが一体となった状態」と解説した上で、「生活にはデザインとアートの両方がバランスよく組み合わさった空間が必要」だと語る。
「生活や社会の中でデザインとアートが一体化できたら、より良い生活やコミュニティができるという期待がある。学部のコンセプトは、今後の社会や暮らしのあり方を考えていく上で非常に重要だと思う」と学部への期待を語った。
中村教授は、入学希望者に向けて「自分の日常を見つめ直して、潜む課題やリスクに気付く営みを大切にしてほしい。これがクリエイティブな逸脱であり、学部の目指すCX(Creative Transformation)につながる実践に他ならない。新入生にはそうしたプロセスを意識しながら勉強してほしい」とメッセージを送った。
取材に応じた中村大(なかむらおおき)教授=20日、衣笠キャンパス(金井、矢野)
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