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森庄銘木産業がウッドデザイン賞受賞 森林の課題とは

本学経営学部の卒業生である森本達郎さんが専務を務める森庄銘木産業(奈良県宇陀市)が「ヒノキ曲がり梁(はり)」、「『自分ちの森』を知る第一歩 若手林業家と巡る森林ツアー」で「ウッドデザイン賞2021」を受賞した。ウッドデザイン賞とは林野庁の補助事業であり、木に関する製品や取り組みについて評価し、その中から特に優れたものを表彰する制度。ライフスタイルデザイン、ハートフルデザイン、ソーシャルデザインの3部門がある。同社では木を加工する、森林を所有者に代わって管理するなどの事業を行っている。

作業の様子

受賞した曲がり梁においては、木の多くは真っすぐに育ちそれらが商品として使われるが、曲がって育った木は商品の価値がないとして捨てられてしまうことが多い。しかし曲がりも木の個性として捉え、同社の技術によって商品化した。これがソーシャルデザイン部門の建築、部材分野を受賞した。

森林ツアーの様子

現代の日本の森林の中の私有林において、山を持っている人のほとんどは都市部に住んでおりなかなか山に接する機会がない。また森林を軽視することによって山に関する災害が増加してしまっている。このような現状を踏まえて森林ツアーは、森林に関心がない、次の森林の継承者となる人たちに向けて森と自分を繋げて森に対しての危機感などを持って欲しいという思いで発案した。これもソーシャルデザイン部門のコミュニケーション分野に選ばれた。

森本さんは本学を卒業した後に大手木材商社に3年間勤務し、国産木材と海外木材を扱っていた。最初は家業である林業を継ぐことは考えていなかったが、大学生の時に東日本大震災のボランティアを経験した。そこで地元の人々と交流したことで「自身の地元で仕事をしたい」と感じたという。また、林業は公益的な面を持つことに気が付き、家業を継ぐ意思が生まれた。

森本さんは学生に向けて「林業は子育てに似ており、個性を伸ばしつつ時代にあわせて育てていくことが大切だ。時代にあわせて社会人になった時の自分を想像してほしい」と述べた。また同社の今後の目標として「住宅建設で使用する木材は国産より海外産がかなり多くを占めている。この現状を改善し、持続可能な森づくりのために『木の見える化』を目指し、消費者が森林を可視化しやすい林業を行いたい」と意気込みを語った。(佐藤)

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