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2020年度科研費 立命館大学が配分額・採択件数ともに私立大学3位を獲得

本学は文部科学省が発表した「令和2(2020)年度科学研究費助成事業(科研費)の配分」において、採択件数、配分額ランキングともに私立大学第3位を獲得した。科研費とは、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として、有識審査員による厳正な審査の後、国が全国の研究者または研究グループに助成する、競争的研究資金のことである。2020年度の配分結果では、本学の採択件数は過去最多の690件となり、配分額も昨年度を上回る13億4199万円を記録した。
本学研究部の野口義文事務部長に、向上の要因や、立命館大学の「研究」に対する強みについて話を聞いた。

〇採択件数・配分額向上の要因

野口部長は、採択件数・配分額向上の要因を大きく5つに分析する。

1.目標設定
「目標設定を行うことで、やるべきことが可視化される。」

研究部では、過去の実績を鑑みた上で、採択件数・金額とも「私立大学3位」という順位、また「2020年度に70%、2025年度には100%」という申請率の具体的な目標を掲げた。

 

2.研究高度化中期計画
「ムーブメントを起こしていくには戦略が必要。」

本学の「研究高度化中期計画」は5年ごとに立てられており、2006年に策定された第1期から2020年度を以て終了する第3期まで、すべて科研費に重点を置いて作られてきた。
たとえば、本学の研究高度中期化計画の一つに「研究高度化推進制度」というものがある。そのなかには「惜しくも不採択となった場合に、研究計画調書のブラッシュアップを通じて研究内容を充実させ、翌年度の採択を目指す仕組み」など、科研費採択に向けた支援制度が数多く用意されている。
こういった、科研費を柱に据えた研究に関する中期的な計画と充実した支援制度を整えたことにより、科研費獲得への道をより一層加速させることができた。

 

3.リサーチオフィス
「計画や資金があっても、それを動かす人材や組織がなければ実行に移すことはできない。」

本学に在籍する1000人以上の研究者を支える学内組織、リサーチオフィス。そのスタッフが一丸となって研究者をサポートし、順位や申請率の具体的な目標を達成するため活動した。

 

4.研究者のモチベーション
「競争的資金を獲得し、さらなる研究活動を展開しようとする本学研究者の高いモチベーションも科研費申請率の向上につながった。」

国や地方自治体などが公募する多くの研究助成事業では、研究テーマがあらかじめ指定されていることが多い。しかし科研費では、研究者は自由な発想のもと、自らの研究テーマに沿った分野で申請を行うことができる。研究の多様性を重視する本学にとっても、最も重要視すべき競争的資金といえる。

 

5.合意形成
「納得解が合意形成につながる。」

各学部・研究科・機構等から選出された研究委員と、毎月集まって研究高度化政策も含めた研究関係の議論を行う場「研究委員会」が設けられている。そこから寄せられた意見を集約し、検討を重ねた上で研究高度化中期計画を策定し、科研費にかかる目標に取り入れた。このように全学議論を丁寧に重ねたことにより、研究者が納得する形で科研費獲得を推進することが可能となった。

 

〇「研究」に対する立命館の「強み」

本学には16の学部、6の研究科、14の研究所、33の研究センターがあり、人文社会科学や自然科学だけでなく、ICTやAI技術などの学際融合といった、あらゆる分野の研究者が在籍している。
また、文系と理系の研究者が協力して進める、文理融合の多様性ある研究が多く行われていることも本学の特徴の一つである。研究部では今後、さまざまな分野の研究者同士がともに研究をはじめる機会を増やすため、研究者同士の出会いの場を、リアルとオンラインともに充実させていく予定だ。

学生に向けて、野口部長は「学生自身が発見に興味を持ち、研究者と主体的に関与することで、『研究』をもっと身近に感じられるようになる。本学は、300以上ある科研費の審査区分すべてに対応できるだけの研究分野の広がりを持っている。数多くの素晴らしい発見に出会える場にいるということを誇りに思ってほしい」とメッセージを送る。
多様な研究・発展の場があるという強みを生かしながら、本学は今後も研究の高度化を目指していく。

(波多野)

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