大学生の落語日本一を決める第16回全日本学生落語選手権「策伝大賞」が2月に岐阜市で行われ、立命館大学落語研究会(立命落研)に所属する立命亭写楽斉こと高橋壱歩さん(法4)が優勝にあたる策伝大賞を獲得した。披露したのは「まんじゅうこわい」をアレンジした改作落語。誰もが知る演目であるからこそボケや展開を工夫した。自身では「こんなアレンジの方法があるのだという意外性がウケた」と勝因を分析する。
高橋さんは大阪出身で幼少からお笑いにふれてきた。
「初めて漫才を人前で披露したのは小学2年のお楽しみ会かな。小中学校の修学旅行でも漫才をやって、中学を卒業する頃には『将来は芸人になる』と決めていた」
大学進学後、立命落研に入部し本格的に漫才活動を始めた。「当時の部員に『漫才ができる』と言われて入部したけれど、落語ばかり練習させられて。話がちゃうかった」と苦笑する。
それでも週3回の練習に取り組み、2回生時には「1人で10回練習するよりも、1回舞台でやった方がええ」という考えから漫才と落語で年240舞台に立った。
高橋さんは普段の生活でも常にネタ探しをしている。本屋では目をつぶって書棚に手を伸ばす。「偏りがあったらアカン。好き嫌いで知らん情報があるのは損や」と情報収集に余念がない。その笑いに対しての探求心が全国優勝に繋がった。
「だまされて落研に入ったけれど、落語やっていて良かったなと。お世話になった同級生の前で優勝できたのはホンマに嬉しかった」
お笑いの魅力については「お客さんから笑いをもらう快感がたまらない」と語る。
「策伝の決勝では1400人の前で落語したけれど、2階席からは笑いが降ってくる感じやったな。あの快感を1回味わうと、もう無理や」
次の目標には、8月に開催される夏の全国大会「てんしき杯」での優勝を掲げ「勝つことしか考えてへん」と意気込む。その先に漫才師としての未来を見据える。
「就職活動はしてない。将来への不安はないかな。逆に今の段階で不安があるなら漫才師を目指すのを止めた方がええ。自分を一番、信頼できるのは自分自身やろ。絶対、漫才で売れる」(鶴)