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OIC新棟運用開始 挑戦連鎖の「TRY FIELD」へ

大阪いばらきキャンパス(OIC)に新たに建設されたH棟の運用が、4月から始まった。2020年7月に情報理工学部・映像学部の移転が決定して以降、約3年半にわたり取り組まれてきた新棟構想。H棟開設により、最先端技術を駆使して学生の創造性を拡張する「TRY FIELD(トライフィールド)」の実現を目指す。

報道関係者を前にH棟を紹介する三宅雅人副室長=3月22日午後、大阪府茨木市・OIC

H棟は地上9階建てで、地上42メートル、延床面積約4万7000平方メートルを誇る。竹中工務店が設計監理を担い、22年6月から24年2月にかけて、工事が行われた。

3月22日に行われた記者発表会では、本学園の山下範久常務理事と総合企画室・三宅雅人副室長が登壇。H棟を起点とするキャンパスのアップグレードにより、創造性を拡張するリアル&バーチャルの「TRY FIELD」の実現を目指すと説明した。

報道関係者の前に立った山下常務理事=3月22日、大阪府茨木市

H棟には、1階の半屋外広場「TRY SQUARE(トライスクエア)」を中心に、共創空間「クリエイティブコンプレックス」が構成される。各種施設が展開され、地域住民を含めた学内外の交流を生む。

先端研究や最新IT技術などの研究を行う研究室「SP LAB(スプラボ)」や、学生が課外自主活動を行う「JIZAI HALL(ジザイホール)」はガラス張りで、学生や教員、地域住民が活動の様子を見ることができる。

情報理工学部の柴田忠久教授(情報工学)のもとで「スプラボ」を利用する学生らの様子=3月22日、大阪府茨木市

また、仮想現実(VR)を中心とする先端的なXR(クロスリアリティー)体験の研究と創造の場「SP LAB X(クロス)」が設置される。このほか映像の制作や編集を行うことができ、ライブ配信設備を有した「LIST(リスト)」が設けられる。

「LIST(リスト)」に見入る報道関係者ら=3月22日、大阪府茨木市

H棟では、新たな学びのスタイルに応える「ハイブリッドな学習環境」の整備にも注力。「Learning Infinity Hall(ラーニング・インフィニティー・ホール)」では、各テーブルにモニターが設置される。対面授業とオンライン授業が融合した、双方向の学びを可能とする設計だ。

ラーニング・インフィニティー・ホール=3月22日、大阪府茨木市

このほか、H棟各所に「Connected Learning Commons(コネクテッド・ラーニング・コモンズ)」が配置され、開放感やテーマカラーなど、学生それぞれが好みの空間を選び学習できる環境となっている。

コネクテッド・ラーニング・コモンズの一つ=3月22日、大阪府茨木市

H棟は、学生や教員のほか、企業なども集う場所となる。企業や自治体が大学に課題を持ち込み、文理の枠を超えた研究につなげる場として「Co-Creation HUB(コ・クリエーション・ハブ)」が設けられる。政府、自治体、産業界や地域社会、研究者たちとの共創を通じ、社会問題の導入・解決を目指す。

コ・クリエーション・ハブ=3月22日、大阪府茨木市

映像学部と情報理工学部の学部棟となるH棟では、研究意欲をかきたてる研究環境の整備が図られている。制作した映像を試写・上映するシアター教室を設置。映画館などで採用されている立体音響技術「ドルビーアトモス」を、国内で初めて大学として導入した。

シアター教室の様子=3月22日、大阪府茨木市

実際に4月から新棟を利用している、映像学部自治会の小室琢磨会長代行(映像2)は、衣笠キャンパスで映像学部が利用していた充光館は狭く、人が集まる場所が限られていたとした上で「コネクテッド・ラーニング・コモンズなどに人が集まっている。思っていたより使いやすく、皆にとって居心地が良い場所なのだろう」と話している。

(小林)

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