国民民主党の玉木雄一郎代表が4月28日、本学衣笠キャンパス以学館で講演し、国の役割や党の政策、若い世代への期待について語った。学生には「政治家という選択肢をキャリアに置いてほしい。未来は皆さんが自分で変えていくしかない」と呼び掛けた。

講演会は、本学の政治研究会が主催。玉木代表は「玉木雄一郎と若者が考える国民民主党躍進の理由」をテーマに約1時間半話した。
国民民主党について、西郷隆盛の「政(まつりごと)の大体は、文を興し、武を振るい、農を励ますの三つにあり」という言葉を引用し「この三つの政治の役割を強くするのが(党の)基本的な考え方だ」と紹介。「対決より解決」を掲げる「政策本位の政党」として、党の姿勢などを説明した。

エネルギー政策については、化石燃料の輸入が多く一次エネルギー自給率が低いことから「原子力発電・再生可能エネルギー発電、どちらもやらないと足りない」と当面の間の原発活用に前向きな姿勢を見せた。
この際「原発か、再生可能エネルギーか、という二者択一の質問をよくされる」と紹介し、「二元論は分かりやすいが、大体が間違っている。議論を根こそぎ疑い、設問自体が間違っていないか問う能力を持ってほしい」と参加者に呼び掛けた。

また日本の国際競争力について「人を育てることを怠ったから(低下している)」と主張。「研究は『選択と集中』すべきではない。幅広く基礎研究に予算をつけ、大学段階で研究すべきだ」と大学での研究開発費の重要性を述べている。
「経済成長の源は、人の知恵と頭とイノベーション(革新)。人づくりこそ、国づくりだ」として、教育国債で教育・科学技術予算を増大させ、日本の国際競争力を回復させるべきだと見解を示した。

講演では、親が受ける「特定扶養控除」について、扶養される学生の所得基準を103万から150万への引き上げることを実現したと説明。今後「基礎控除」について103万円から178万円への引き上げを目指していくと意気込みを語った。
質疑応答では、選択的夫婦別姓制度について問われ「結婚前の姓をそのまま使い続けたいというニーズを満たす制度を早く作るべきだ」と述べた。現状については、戸籍など「詳細設計に解決すべき問題がある」として、どのように折り合いをつけるか、しっかりと詰めていく段階だと説明した。

終演のあいさつの中で玉木代表は「皆さんは(立命館大に在学している時点で)恵まれている。同じ世代の中で、夢を持ちたくても持てない人に対する想像力を持ってほしい」と参加した学生に求める。「自分以外の誰かのために皆さんが能力を使えば、世の中もっと良くなる」と期待を込めた。
(小林)
BKCの学生が参加できるように、リモート配信を用意するべきだと思う。