関西学生野球の第7節立命館大対関西大の2回戦が19日に南港中央野球場(大阪市住之江区)で行われ、本学が1-0で勝利した。これで戦績は1勝1敗のイーブンとなり、明日20日の3回戦に決着が持ち越された。(鶴、石井)
本学が虎の子の1点を守りきった。初回、リーグ戦初スタメンの1番渡邉(産社3)が「打つと決めていた」ファーストストライクを強振し、右中間に3塁打を放つ。その後、3番橋本(産社3)の1塁ゴロの間にヘッドスライディングでホームイン。渡邉の果敢な走塁で先制点を掴み取る。
投げては先発の有村が「目の前の打者に集中して、1つずつアウトを取ることを考えた」という投球で、8安打を許すも要所を締め関大打線を零封。落とせば優勝が遠のく一戦で、嬉しいリーグ戦初完封となった。
湿る打線 優勝に不安要素
有村の力投で2回戦を勝利した。ただ今節2試合17イニングで1得点の打線に不安が残る。今日の試合も毎回のように好機を作るがホームベースが遠かった。8回には一死満塁とするも代打の山本(産社4)、大杉(スポ健3)が連続三振に倒れ、好機を逸した。明日の3回戦と次節の立同戦に向けては打線の復調が、勝負の鍵となる。
feature 渡邉理玖
関西屈指の強豪チームである本学野球部は、スポーツ推薦やAO入試、内部進学などで入学する選手が多い。その中で「1、2回戦負けの公立校」から一般入試を経て、野球部の門を叩いた渡邉は特異な例であった。入学時に後藤監督からは「入部は認めるが、1年してダメだったら学生コーチやマネージャーになってもらうよ」と伝えられた。
「マイナスからのスタートだった。初めて練習に参加した時は正直、場違いかと思った(笑)」と入学当初を振り返る。
そこからバッティングピッチャーなどの裏方を率先して務めた。その努力は「全て一生懸命やってくれる」と後藤監督も認める。
試合に出られない中でも同級生の福武(法3)から打撃技術を学ぶなど、ひたむきな姿勢で野球に向き合い続けた。そうして訪れたのが今日の初スタメンだった。
「昨日のミーティングで伝えられました。監督からは『思い切ってやれよ』と。試合前はめちゃくちゃ緊張しました」
1回裏、先頭打者として出番が回ってくる。
「無心で打席に立ちました。ストライクを振ろうとだけ」
相手先発・肥後の2球目を捉え、打球は右中間を割る3塁打になった。3塁到達後、ベンチに向かって小さくガッツポーズを見せた。
直後の1塁ゴロで生還し、チームメイトから手荒く祝福される。
「信じられなかった。最高ですね」
3安打と大活躍した試合を振り返る渡邉を、通りすがりのチームメイトが「ナベちゃん、よく打ったね」と祝福する。チームメイトから愛される167cmの新星が優勝への起爆剤となる。
渡邉 理玖 #17
産業社会学部・3回生 外野手 167cm 67kg 左投げ左打ち
東大津高校出身