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膳所城、VRで復活へ 理工学部生ら、CADスキル活用

大津市南部の琵琶湖岸に築かれ、明治時代に廃城となった膳所(ぜぜ)城を、VR(仮想現実)で復元する取り組みが、本学理工学部の学生らによって進められている。現在は12月のVR完成を目指しており、今後地域振興への貢献を目標に各種企画を開催する予定だ。

琵琶湖にせり出す膳所城の本丸(膳所城VR Lab.提供)

■膳所城復元目指して

膳所城は、徳川家康が1601(慶長6)年に琵琶湖の中に石垣を築いて造らせた水城。藤堂高虎が計画を担い、日本三大湖城の一つに数えられる。1870(明治3)年に廃城となり、現在は一部遺構が残るのみ。

膳所城のデジタル復元に向けた取り組みは2016年、企業向けにCAD(コンピュータ支援設計)の研修などを行う会社「CAD ASSIST(キャド アシスト)」の山本奈美さんらが始めた。3Dモデル化に向けて取り組む中で、図面・絵図などの資料の少なさに直面し、2017年に頓挫していた。

『旧膳所城郭明細図』(滋賀県立図書館蔵)

その後山本さんは、本学の非常勤講師となり理工学部で「CAD演習」の授業を受け持った。建設系企業の新入社員研修などを行う中で、即戦力の乏しさを感じていたという山本さん。学生が即戦力になれるよう、3D CADソフト「SketchUp(スケッチアップ)」を用いて授業を行った。

その中で「学生を磨けば、膳所城を復元できるのでは」と思った山本さんは、受講していた学生を誘い、2020年に「膳所城VR Lab.(ラボ)」を設立。取り組みは産学連携の「甦(よみがえ)れ! 膳所城プロジェクト」として再始動した。

ラボに参加した西野拓也さん(理工3)は、スケッチアップを使える良い機会だと思ったことが参加の決め手だったという。現在は、本学理工学部の学生7人と、大学院理工学研究科の大学院生1人が、①モデリング(造形)担当②CG(コンピューターグラフィックス)担当③広報担当――に分かれて活動している。

ミーティングに臨む学生らと山本さん(左前)=5月20日、滋賀県草津市
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