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嵐電に新型車両「KYOTRAM」導入へ 2024年度から、計7両を予定

京福電気鉄道(京都市中京区)は5月30日、嵐電の愛称で親しまれている嵐山線に新型車両「KYOTRAM(きょうとらむ)」を導入することを発表した。老朽化が進む車両7両の置き換えが目的で、2024年度から計7両の導入を予定している。

京福電鉄が発表した「KYOTRAM」のイメージ (京福電鉄提供)

嵐電の新型車両は2024年度に1両、2025年度から2028年度にかけて計6両が導入される。嵐電の新型車両導入は、2001年から2002年にかけて導入された「モボ2001形」以来23年ぶり。新型車両には、「京都」と「トラム(路面電車)」を掛け合わせた「KYOTRAM」という愛称がつけられている。京福電鉄取締役鉄道部長の三宅章夫さんは「今まで嵐電車両には愛称をつけてこなかったが、覚えてもらいやすいと考え愛称をつけることになった」と話した。

「KYOTRAM」のカラーリングは嵐電のイメージカラーである「京紫色」がベースとなっている。デザインは叡山電鉄の観光列車「ひえい」のデザインを担当したことでも知られるGKデザイン総研広島が担当し、昔の嵐電の車両や路面電車オマージュした曲線的なフォルムが特徴。「KYOTRAM」を導入する計画は2年ほど前から進められており、現在はデザインをもとに設計をする段階である。

嵐電で運用されている「モボ2001形」(京福電鉄提供)

開発の際に重要視した点について、三宅さんはバリアフリー対応、安全性の向上、環境負荷の低減、街並みにふさわしいデザインといった要素に加え、「モボ2001形」と連結して運用できることが前提であると話した。現在2両のみが運用されている「モボ2001形」は機器類などの違いから他形式との併結ができない。そのため2両連結で運用する際は「モボ2001形」同士の運転に限られてしまい、編成を組むうえで障害となっていた。だが、今後導入される「KYOTRAM」は「モボ2001形」に連結できるため、編成の自由度を高められると三宅さんは話す。また「KYOTRAM」では「モボ2001形」と部品の共通化が図られ、整備の効率化も図ることができるという。

「KYOTRAM」では、車両を動かすモーターの制御装置に「VVVFインバータ制御」が導入され、減速時にモーターで発電した電力を架線に戻す「回生ブレーキ」も導入される。これにより消費電力量が大幅に削減され、消費電力量は従来の車両の約半分になるとしている。また、バリアフリー対応や立つ乗客が掴めるポールの設置、「ナノイーX」発生装置の搭載などで、安全・安心・快適のさらなる向上に取り組み「人にやさしい路面電車」を目指す。その他、運行時の安全性向上のため、乗降する乗客を検知する光電管センサーが後扉だけでなく前扉にも設置され、サイドミラーがデジタルミラーになり接触リスクを減らしつつ夜間の視認性向上が図られるなど「細かいバージョンアップが行われる」と三宅さんは話す。

取材に応じた京福電鉄取締役鉄道部長の三宅さん=4日、京都市中京区で

「KYOTRAM」は西院駅や四条大宮駅のある嵐山本線と、等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅や北野白梅町駅のある北野線の両路線で運用される予定。嵐電の利用に関して三宅さんは「定期外の利用が多く、学生の利用は少ないようだ」としつつ「市営地下鉄・阪急・JRへの接続や各地へのアクセスが便利で定時性も確保されているなど、乗ってもらって初めて気づくこともある。一度嵐電に乗ってもらい、嵐電の魅力に気づいてほしい」と期待を語った。

なお「KYOTRAM」の導入により、現在運用されている「モボ101形」6両と「モボ301形」1両が置き換えられる。「モボ101形」で最も古い車両は1929年に製造されたもの。車体は1975年に更新されたが、運用開始当初から利用している制御器などの下回りは老朽化が進み、メンテナンスの手間などが運用上の課題となっていた。1971年に導入された「モボ301形」も同様に老朽化が進んでいたため「モボ101形」と「モボ301形」の計7両の置き換えが決まった。戦前の嵐電車両をオマージュした「KYOTRAM」に後を託し、戦前生まれの歴史ある車両が引退となる。

2024年度から順次引退する「モボ101形」の101号車(京福電鉄提供)
2024年度以降引退が決まっている「モボ301形」の301号車(京福電鉄提供)

 

(小林)

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