本学教養教育センターは6月30日より、オンライン企画「SERIESリベラルアーツ:自由に生きるための知性とはなにか『人間5部作』」を開催している。本企画は2020年度に実施されたオンライン企画「SERIESリベラルアーツ:自由に生きるための知性とはなにか」の2021年度連続企画。「人間・感情・生きるとはなにか」という問いに家族・食・アート・まち・経済それぞれのテーマを持つ5つのオンライン企画を通して切り込む。
本学教養教育センター事務局の牧野容子さんは「人間はルールやシステムを作り出してきた。しかし、生活するなかで、人はそれぞれが持つ思いや感情、欲望とこれらシステムやルールの間でジレンマを抱えて生きているのではないかと考え、社会の制度やシステムと自分とを見つめる企画をしたいと考えた」と本企画立ち上げの経緯について述べる。
本企画ではどんな人でも視聴できるように文字通訳による音声情報保障を行い、Google翻訳のレベルではあるが文字通訳情報を多様な言語へ同時翻訳できる仕組みを採用している。実際にアジア太平洋大の学生も多く参加しているという。
7月31日には3つ目の企画となる人間5部作「アート」、「わたしの“好き”を見つける」が開催される。近年、YouTubeやNetflix、Spotifyなどのサブスクリプションを通じて、大量のコンテンツが次々と送り出されるため、私たちは自分の好きなものを楽しんでいるというより、こういったプラットフォームの側に、作品を消費させられているような気分を感じているのではないか。能動的に作品と出会い、楽しむ方法について、音楽と映像の専門家と考える企画だという。
牧野さんはコロナ禍により、搾取する側と搾取される側が浮き彫りになり、だれの目にも見えるようになったと指摘。学生にはどうしたらこのような関係性を変えていけるかということをゲストと共に一緒に考えてほしいと訴えた。人間5部作「まち」、「まちあるきのすゝめ ―迷える身体に向けて―」では、ジェントリフィケーションや観光問題を切り口にした企画となっている。人間5部作の締めくくりは「経済」とし、資本主義経済システムと人間について考える企画を検討中とのこと。
本企画のタイトルである「人間5部作」は学生に響くテーマ設定を意識し、BTSの「青春三部作」になぞらえて付けたという。学生に対して牧野さんは「自分が学んでいることと社会はつながっていると実感してもらいたい。学ぶって面白いと感じてほしい一心で企画している。ぜひ少しでも参加してくれたら嬉しい」と言葉に熱を込めた。(川村)
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本学教養教育センター 2021年度「SERIESリベラルアーツ:自由に生きるための知性とはなにか」5回連続企画開催 について