新型コロナウイルス終息の兆しが見えないなか、陸上界では大会再開の動きが出始めている。今回は本学女子陸上競技部主将の田中佑美選手(経済4)への取材から、セイコーゴールデングランプリ陸上を振り返る。
「チャレンジャーとしての走り」 セイコーゴールデングランプリ陸上に田中佑美選手が出場
8月23日、国立競技場(東京都新宿区)でセイコーゴールデングランプリ陸上が開催された。本大会は100mハードル日本記録保持者の寺田明日香選手をはじめ、日本のトップレベルの選手が参加する大会である。100mハードルに出場した田中選手は13秒27で4位という結果を残した。本大会のスタート時の心境を田中選手は「チャレンジャーとして思い切って走ることができると考えていた」と振り返る。なお、本大会は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客での開催となった。しかし、テレビやインターネットでの生中継が行われた。さらに、全国から選抜された高校生が出場するドリームレーンが設けられ、その関係者の会場モニターを通した応援、事前に募集された選手への応援メッセージが会場に掲載されるなどの取り組みがなされた。
田中選手は大会を振り返り「昨年は全体で7位、日本人選手の中で2位という結果だったが、今年の日本人選手のみの大会で4位と順位を落としてしまった」と悔しさをにじませた。しかし、走りについては「今シーズンはコロナの影響もあり、あまり満足のいくレースが出来ていなかったぶん、今大会レベルの高い選手が出場する環境で、少しは自分の納得のいく走りができた。今後につながる良いレースになったと感じている」と真摯な姿勢を見せた。
コロナ禍で練習にも変化
また、新型コロナウイルスの影響により、大会だけでなく、練習にも変化が生じたという。自粛期間中は、学校の設備が使えないために、ダンベルの代わりに籠とペットボトルを使用したトレーニングや河川敷での練習を行っていた田中選手。陸上競技部の本格的な練習は6月末から再開した。現在は部内でそれぞれの種目ごとに人数を細分化し、時間をずらして練習を行っているものの、チーム意識を高め、情報交換ができる陸上部全体での練習は行えていない。(川村)