今年度に行われる予定である、公開全学協議会の開催可否について現在議論が進められていることが明らかになった。大学の常任理事会(以下、大学)側と学友会それぞれの意向について、衣笠学生オフィス課長の五坪智彰さん、中央常任委員長の佐藤颯平さん(法4)に取材を行った。(今年度のこれまでの動きについてはこちらから)
公開全学協議会(以下、全学協議会)は1979年以降、大学からの学費政策の提起にあわせて行われ、学生の声を大学へ届ける「要求実現運動」の最たる機会となっている。大学側は4月28日、今年度の全学協議会について「来年度への延期」を提案した。理由は「現行の学費政策を1年延長し、来年に2023年度以降の学費政策の提起を行うため」としている。これについて五坪課長は「新型コロナウイルスの影響で私たちの生活は大きく変わり、これからの大学のあり方を見直す必要がある。より丁寧な検討を行うため、今年度の全学協議会開催について延期をすることを提案した」と語った。この提案に対して佐藤さんは「全学協議会に限らず、学園運営において大事なのは学生の意見や想いが大学側へ届くこと。開催はしてほしい」と語った。
全学協議会は「全構成員自治」の理念に基づき、大学常任理事会・学友会・院生協議会連合会・教職員組合の4パートと、オブザーバーである立命館生活協同組合で構成されている。また開催前には、4パート間での事務折衝や全学協議会代表者会議を通じ、どのような議題を取り上げるかを話し合う。しかし4月28日以降、4パート間での議論の場は持たれていない。
全学協議会について、五坪課長は「学生が学園創造における議論に直接参画することは重要だ。また、学生が大学生活を送るなかで在学中に一度はこのような議論に参加できる機会を設けたいと思っている」と意義を語った。なお、課外自主活動や学生生活に関する学生の声は、春学期に続き今後も学友会の代表を通じて受け止めていくとした。
佐藤さんは「全学協議会という形態にとらわれず、学生の意見を大学側へ届ける機会を設けたい。また、その場は学生に開かれた『公開』の状態であることにこだわりたい。なんらかの形で学生の想いを大学側へ届ける場を今年度中に作ることができるよう、大学側と議論を進めたい」と意欲を示した。また、学生の声を集める全学アンケートを実施予定で、現在作成中であるという。
全学協議会の今年度の開催可否について、五坪課長は「未定」とした。「各パートの意志決定・要望がないので現時点ではなんとも言えない。ただ、全学協議会は学生との議論が重きをなすため、学友会からの要望が開催可否の大きな割合を占めるだろう」と語った。
(坂口)