関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の4大学が1回生を対象に行った調査で、薬物が使用されているのを「直接見たことがある」と回答した学生が2576人に上り、全体の11.5% (前年度比1.7ポイント増)だったことが分かった。約4割が薬物を「入手可能」だと考えており、大学生の中で薬物が広がっている実態が明らかになった。
4大学は2009年から毎年、薬物乱用防止策の企画・立案に役立てることなどを目的に「薬物に関する意識調査」を共同で行っている。本年度は4〜5月の期間、4大学の新入生2万7471人を対象にウェブで実施。2万2315人(81.2%)から回答を得た。
薬物を所持・使用している人が「周囲にいる」と回答した学生は726人、全体の3.3%だった。薬物の種類を問うと、「大麻」が最多で50.4%だった。「覚醒剤」が12%、「コカイン」が6.3%、大麻グミなど大麻に似た成分を含む「大麻入り食品」が6.1%と続いた。コカインは前年度比2ポイント増と、大幅に増加している。
薬物の入手について「手に入る」「難しいが手に入る」と考えている学生は40.6%だった。これらの回答をした学生に「手に入る」とする理由を問うと、「SNS(交流サイト)やインターネットなどで探せば見つけることができると思うから」が80.7%、「繁華街などで販売されていることを見聞きしたことがあるから」が19.0%だった。
薬物使用についての意識を問う質問では、「他人に迷惑を掛けないのであれば個人の自由だ」と回答した学生は1808人に上り、全体の8.1%だった。「1回くらいなら心や体に害がなく、使っても構わない」とする回答は1.0%あった。
また、脱法ハーブなどの危険ドラッグの使用や所持が罰則の対象であることを知らない学生は28.9%。薬物に関する相談窓口があることを知らない学生は53.6%だった。各大学が積極的に啓発活動を行っている一方で、薬物に関する情報や法的な知識が十分に行き届いていない現状も明らかになった。
(小林)