10月13日に堺市で行われた相撲の世界選手権で、本学相撲部の今日和さん(国関4)が女子無差別級で準優勝に輝いた。
今さんは昨年に続き2年連続で準優勝という成績だ。輝かしい成績にも関わらず、「満足のいく結果ではない。良い内容の相撲は1回もない」と表情は硬い。
今さんは押し相撲を自身の理想の形としている。大会では理想の形で攻めきれず、力を十分に発揮できなかったという。
大学生として最後の大会で、かつ日本開催。今さんにかかるプレッシャーは計り知れなかった。「大会中は余裕がなかった。自分の心の状態もわからないぐらい自分を追い込んでいた。気持ちが楽になっていたらもう少し良い内容の相撲だった」と悔しさをにじませた。
今さんは大学卒業後、女子初の実業団選手として相撲を続ける。たった一人の女子選手として男子選手に混ざって練習を行う。
今までは女子選手は社会人チームがないため、基本的には大学を卒業すれば競技からは退いていた。今さんは「日本のアマチュア相撲界は他国と比べてあまり女子に力を入れていない。選手側も社会人では相撲はできないから大学でやめると諦めている」ということから、日本相撲連盟に声を上げた。その結果、愛知県の実業団が今さんを獲得。女子にも社会人相撲への門戸が開かれた。
世界選手権後、応援してくれた人たちからの温かい言葉に励まされたという。「社会人で世界一になるから今は負けても良かったかもしれない。来年は社会人で世界一。そして団体でも2010年以来の世界一を目指す」と意気込んだ。(石井)
※記事中の写真は本人提供