11月13日、あいにくの雨に見舞われながらも立命館大学衣笠キャンパスにて衣笠祭典が開催され、本年度学園祭が始まった。
中央ステージでカウントダウンが行われ、衣笠祭典が幕を開けた。中央ステージ「ReDo」のトップバッターには立命館大学応援団が登場。チアリーダー部と吹奏楽部の2部が一体となっている本団体は、グレーター立命やバンビーナなど、迫力のある演奏・演舞で観客を魅了した。団長の鹿野珠星(かのみほし)さん(心理4)は、ステージを終えて「全員で120%の力を出すことができた。雨の中、たくさんのお客さんに来ていただき衣笠祭典を盛り上げることができた。来場者に学園祭をとにかく楽しんでいただきたい」と笑顔で語った。
応援団のパフォーマンスで熱気が増すステージには、仲谷善雄総長が上がった。「今年の学園祭のテーマは『Next Step』と聞いております。これまでにない新しい学園祭をするんだ、これまで以上に盛り上がるんだというような気持ちで学園祭でいろいろな挑戦をして、あいにくの天候を吹き飛ばすようなエネルギーで存分に、今日を楽しんでいただきたいと思います」と語った。
他にも多くの団体が中央ステージに登場した。立命館大学書道部は、音楽に乗せた迫力のある書道パフォーマンスを披露した。部長の赤坂陽花(はるか)さん(文2)は「かっこよく見えるような動きを意識し、きれいな文字をかけるように練習してきた」という。本番について「舞台に立つと緊張して、失敗してしまったところもあったが、全体的にいい発表ができてよかった」と振り返った。
西側ステージでは「NEO」のタイトルで7組の団体がパフォーマンスを行い、立命館大学モダンジャズバレエ部が「新たな挑戦」というテーマでグローバルなダンスを披露した。部長の福田里穂さん(経済2)は「先輩が作ってきたダンスをレベルアップさせることは大変で、雨の中で披露したことも初めてだったがステージ上で踊ることは最高に楽しく、お客さんの笑顔で自分たちも笑顔になった」と話した。
同じく出演した関西Wall Street は、hiphopやlock、jazz、pop、house、break、motifの全7ジャンルのダンスで会場を沸かせた。昨年度はコロナ禍の影響を受け、思うような活動ができていなかったが、本年度からは、合宿やバトルイベントを復活させたという。代表の日笠山聖(ひがさやませい)さん(経営3)は「7ジャンル皆それぞれ、心を一つにして楽しく踊ることができた」と語った。同団体は、12月4日のOIC祭典のステージ企画にも出演を予定している。
模擬店企画では、びわこ・くさつキャンパス(BKC)近郊で活動する立命館大学料理サークルmeRciが出店し、昨年BKC祭典で販売した「イタリアンチキンソテーのバケット添え」に改良を施しクオリティを上げて販売した。また、材料も仕入れに力を入れ、チキンの上に乗せるバジルは、農家の方と直接交渉を行い見た目や味、香り高いものを厳選したという。本団体に所属する松本紳汰(しんた)さん(情理3)は「サークルの文化を後代に引き継ぎたいという思いから、今年は衣笠での出店を決意した。悪天候の中、お客さんが来てくれるか不安だったが、無事に売り切ることができて安心した」と語った。
存心館205では鉄道研究会が各部員で持ち寄った模型やプラレールなどを並べた展示会が行われた。ポストのチラシで衣笠祭典の実施を知った近隣住民は子どもと訪れ、同研究会の活動に触れた。慣れない手つきで鉄道模型を操作する子どもを、部員が手助けする場面も見られた。
同会会長の福田莉久さん(理工3)は、教室の盛況を感じながら「スタートしてからたくさんのお客さんにお越しいただき、とてもうれしい。BKC祭典にも参加するのでたくさんの人に訪れてほしい」と意気込みを語った。
国際ボランティアサークルRits BLOHは、雨の中キャンパスの沿道でフリーマーケットを開催。国を越えて行われる当団体の活動内容に、足を止める参加者の姿が見られた。衣笠祭典ではフィリピンの女性による刺しゅうを施したタオルやブックカバーを販売し、その利益は制作者に還元される。同団体でフィリピンの女性支援・教育支援に携わる大政秀太朗(国関1)さんは当日の副店長を務めた。雨の中での出展について大政さんは「フリマにはテントが設けられないため継続が困難かと思った。だが商品の上にビニールをかぶせることで続けることができた」と天候に悩まされる中でも出店に工夫を凝らした。
以学館前の広場では、RWF立命館プロレス同好会による学生プロレスが行われた。本団体に所属する梅本航成さん(産社3)は「先輩の引退試合でもあったため、試合に熱がこもった。学園祭には普段の試合よりも多くのお客さんが見に来てくださり、歓声が大きな力になった」と語った。
存心館201では、立命館大学JazzClubがビッグバンドやコンボの演奏を披露した。代表の永井陽樹さん(産社3)は「学園祭という大きな舞台で演奏の機会を設けていただいて、そして、色々な演奏をたくさんのお客さんに楽しんでいただけて良かったです」と振り返った。
中央ステージでは「リッツ・ブラザーズ」によるファッションショーが行われた。着物をイメージした衣装を着たケビン、琵琶湖をイメージしたTシャツを着たビリー、大阪の漫才師をイメージした衣装を着たオスカーが登場し、それぞれの個性溢れる衣装を観客にアピールした。その場で観客によるオンライン投票が行われ、1位がケビン、2位がビリー、3位がオスカーという結果となった。1位になったケビンは「みんなほんまに応援ありがとうやで~。この衣装ほんまにかわいいし、学園祭の記念にみんな写真撮りに来てな~」と飛び跳ねて喜んだ。また、学生会館西側にてリッツ・ブラザーズと写真を撮影することができる写真会も行われた。多くの人がリッツ・ブラザーズと写真を撮り、彼らとのふれあいを楽しんだ。
洋洋館では劇団月光斜の出演協力のもと、目玉企画である謎解き脱出ゲーム「鮮烈の怪盗(ファントム)」が行われた。本企画は怪盗ファントムの一味とともに謎を解き、ティアラを獲得するというものである。
参加した学生の保護者は「子どもがスタッフとしてこの企画に携わっている。ミッションが充実していて、案内人を務めた方も盛り上げてくださって楽しかった」と語った。
衣笠体育館第2アリーナでは、VTuberやDJなどのアーティストによるイベント「SILENT DISCO」が行われた。専用のワイヤレスヘッドホンを使用し、イベントの参加者全員でアーティストが発信する音楽を楽しむ企画だ。
本企画のアーティストの一人である大河原ケンゴさんは、立命館テクノ部に所属しており、覆面の学生DJとして活動している。中学時代から電気グルーヴのメンバーである石野卓球さんのファンで、実際にかける曲の比率も、彼の曲が多いそう。本番を前にして「私のかける曲はテンポがゆったりとしており、アニソンのような華美さがなくて不安だが、普段通りやり切れば、観客の皆さんも楽しんでくれるはず」と心境を語った。また、来場者に向けては「がんばるぞ!」と強く意気込みを見せた。
エンディング企画では「ReBorn」というテーマのもと、3組の団体がパフォーマンスを行った。
K-POPカバーダンスサークルSteppin’は、グループごとに華麗なダンスを披露し、カラーガードサークルLUSTERは、銃を模したライフルとフラッグを巧みに使ったパフォーマンスを行い、会場を盛り上げた。また関西Wall Streetは、花火を使いながら息の合ったダンスを繰り広げ、ダイナミックなパフォーマンスを行った。企画後、会場は拍手で包まれ、衣笠祭典は閉幕した。
学園祭実行委員長の石川寛太さん(映像4)は「あいにくの天候ではあったが、多くの来場者に来ていただけて非常に良かった。今後予定されるOIC(大阪いばらきキャンパス)とBKCの2つの学園祭は、それぞれの特色をもっている学園祭になるはず。来場者の方や出演する団体が楽しめて充実できる学園祭にしていきたい」と語った。