立命館大学の休学費用、5千円なの本当にすごい――。交流サイト(SNS)への投稿をきっかけに、「他大学より安い」「休学するのにお金がかかることがおかしい」などと大きな話題を呼んだ。立命館では「在籍料」として設定されている1学期5千円の「休学費用」。そもそもなぜ必要なのか。(小林)
■休学環境「恵まれていた」
「休学費用で悩むことはなかった」。本学で休学を経験した男性は、取材にそう打ち明ける。
男性は2021年、本学文学部東アジア専攻に入学した。しかし高額な学費の支払いが重く、やむを得ず、24年秋学期から25年春学期まで休学することを決断した。
申請を前に、自身が所属するゼミの教授をはじめ、さまざまな教員や学生にも相談した。引き止めることなく、自身の思いを受け入れてくれた周りの環境は「恵まれていた」(男性)。
休学期間を終えて、男性は「休学してよかった」と思い返す。男性にとって1学期5千円の負担は軽かった。「私立大である以上、費用がかかるのは不思議ではない」と思ってきたという。
■休学費用は「身分保証」
本学では、休学の事由として▽病気▽家庭の事情(家族の病気療養や介護などで、学生本人が対応を求められる場合)▽経済的理由▽勤務の都合▽海外渡航▽兵役――などが認められている。
いずれの場合でも、所属学部・研究科の事務室への事前の相談が必要だ。
希望者は相談後、休学を大学に申請。ウェブで申請するか、休学願を提出するか、申請方法は学部・研究科により異なるという。
申請後は所属の学部・研究科の会議で審議され、許可が決まる。
休学中の学生は授業を受けず、制度上、課外活動や施設利用を行うことも想定されていない。
本学衣笠キャンパスではなぜ「休学費用」がかかるのか。本紙の取材に対し教学推進課は「大学に在籍している状態が継続していることから、学生としての身分を保証するものとして」学費に代わり在籍料を納付する必要があるという。
他の私立大と比較して安価な金額設定については、「各大学が独自に決定するもの。他大学と比較して在籍料を設定しているわけではない」と説明している。
「休学にお金がかかることがおかしい」との声もあると担当者に伝えると、「休学制度は、学生が学び続けるための環境をサポートする枠組み。在籍料は、さまざまな事情で休学する学生の実態を踏まえ、適切に設定している」と理解を求めた。
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