11月16日、本学衣笠キャンパス・存心館301号室で第73回末川杯争奪法律討論会が開催された。主催は本学法学系サークル・法友会で、全国の大学から参加者が集まった。有斐閣(東京都千代田区)が11年ぶりに後援。全国の法律を学ぶ学生たちが熱い討論を繰り広げた。
末川杯とは、広く関西、関東、九州の大学の法学系サークルの1、2回生が参加する全国規模の法律討論会。末川博・本学名誉総長を記念し、1952(昭和27)年秋に広小路学舎で始まり、法友会により継承されてきた。本年度は、本学法学部創立125周年を控えた祝賀行事で、法学部との共催となった。
本学のほか、鹿児島大、関西大、関学大、慶應義塾大、中央大、同志社大、明治大(五十音順)の8校から100人を超える学生が参加した。各大学1人ずつ論者をたて、約10分間論旨を述べ、その後他大学から数人が質問を行う。立論・質問に対して審査員6人が採点し、末川杯を手にする大学が最後に決まる。
裁判官、検察官、弁護士などの実務家や教授が審査員を務めた。また、討論の議題は関学大法学部の井上武史教授が作成。論題は、警察の情報収集・流出が違憲であるかを問う問題だ。
開会の辞を法友会会長の山下晴生さん(法2)が述べた。また、本学法学部長・宮脇正晴教授は「このような大規模なイベントが長年にわたって開催されていることはとても意義深い。ほかの大学と交流することを授業内ではなく課外でやることで、より熱意のある生徒が集まる。準備を十分に行った団体が良い評価をもらう」と話した。
本学は4番目に立論を行った。論者は本学法友会に所属する林和花さん(法2)。制限時間ちょうどで論旨を述べ終わり、同志社大、慶應大、中央大の質問者の質問に答えた。立論を終え、林さんは「実務では、権利を挙げるだけ挙げること」を今回の学びとし、「自分の力不足をしっかりと受け止めて、今後の自主学習を頑張ります」と話した。
また、7番目の鹿児島大の立論では本学法友会に所属する藤田快輝さん(法2)が質問を行った。
8大学の立論が終了したのち、審査員の6人から講評があった。京都地方検察庁検事の田原光行さんは「素晴らしい立論であった。この論題は条文や状況、行為などさまざまなことが問題になる。どう違法と論理構成するかに注目した。法律家として最も重要視している3点、一つ目は自分と反対の立場にどれだけ立てるか。二つ目は総合的に事実を見ること。三つ目は一般の人でも分かる言葉で説明できるかということ」と問題に取り組む際のポイントを示した。論題の出題者である関学大の井上教授は「司法試験の合格率は上がっている。ぜひあきらめずに勉強を続けて法曹になってほしい」と語った。
審査の結果、立論の部1位は中央大の佐藤七美さん、質問の部1位は慶應大の平澤綾さんが獲得した。討論会を終え、今回参加した中田英里さん(法1)は結果を受けて「出題者がなにを求めているのか考えることが必要」とし、「審査員の方々が講評で言ってくださったことと、今回の悔しさを今後活かしていきたい」と話し、次回の討論会へ意欲を見せた。
(八木、長尾)