10月26日衣笠キャンパスで、作家のはやみねかおるさんの講演会が行われた。本講演会は、立命PENクラブが毎年作家を招待して開催しているもので、今年は、はやみねさんの代表作「都会のトム&ソーヤ」の実写映画化が決定されたことを受け、注目度の高さから本講演会の依頼にいたった。開演前から会場となる衣笠キャンパス以学館ホールの前には、約300人が集まった。
はやみねさんに本講演会前に、意気込みや思いについて聞いた。「大学生に向けて講演をすることはあまりないため、原稿の締め切りに追われながらもとても楽しみにしていた。今回は子どもの読書離れや創作活動について話すが、大学生には貴重な4年間を過ごす上で、その大事な時間の中で本を読む良いきっかけになってほしい」と話した。
講演会では、趣味である芝刈りの話をたとえに用いて本に子供の興味をひかせるための方法を語ったり、はやみねさん自身の小説執筆までのきっかけなどを幅広く語った。また、自作のトリッキーな道具を用いて、物語に興味を引くためのポイントやネタを作る時の極意を説明しつつ、関連したエピソードを披露し観客の笑いを誘った。質問コーナーでは、作品内のキャラクターや今後の展望について、時間いっぱいに答えた。講演後には、先生直筆のサイン本の抽選会が行われ、会場は盛り上がった。
講演会を終えて、PENクラブ部長の木村海渡さん(文3)は「先生の文章力が、講演会での話し方や内容、語彙の豊富さに現れていて、直に聞けて非常にいい経験になった」と振り返る。また、同部員の宮崎恭輔さん(文2)は「先生の物腰が柔らかく、とても気楽に接することができた。この経験を活かし、来年度の講演会も良いものにしたい」と語った。(則貞)
はやみね かおる
児童を対象としたミステリー小説を主に執筆している。もとは、小学校教師であったが、1989年に「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に佳作入選し、作家デビュー。代表作には、「名探偵夢水清志郎事件ノート」、「怪盗クイーン」、「都会のトム&ソーヤ」などがある。「都会のトム&ソーヤ」は、2020年に主演・城桧吏、監督・河合勇人で実写映画が公開される。