東京五輪を来年に控え、柔道界では各階級一枚の出場切符をかけ、選手たちが熾烈な代表争いを繰り広げる。その選手の一人に大野陽子さんがいる。2011年度に本学を卒業し、現在は日本屈指の強さをほこる実業団、コマツ女子柔道部に所属する。昨年初出場した世界柔道選手権大会では70㎏級個人3位・団体優勝、今年は団体優勝という成績を残し、世界を舞台に活躍する。代表選考を兼ねる講道館杯を控えた重要な時期に、大野さんに大学時代や今後についてのお話を伺った。穏やかに、そして丁寧に話される大野さんにはぶれない強い意志があった。(廣部、小板橋・10月15日取材)
―講道館杯への意気込みを聞かせてください。
何が何でも優勝しないといけません。でも私の場合、一つの大会だけ優勝しても代表に選ばれません。これから続く大会を一つ一つ優勝しないといけないので、ひと時も気が抜けません。
―東京五輪に対する現在の思いを聞かせてください。
4年に一度、そして自国開催。その五輪の代表選考に関われるポジションにいるところが大学生の時とは感覚的に違います。立命館や地元などの応援してくれる人たちを背負うプレッシャーはありますが、支えでもあります。出場することができたら、しっかり日本のためにも金メダルを取りたいです。
―大学時代の印象深い出来事は?
4回生の時、団体の全国大会で2位になったことです。上位進出は無理だろうと言われていたところ、決勝まで行けました。4回生中心にチーム全員が一体となっていました。決勝も強い対戦相手に対して良い試合ができました。
―大学時代のやり残したことは?
今を集中して全力で生きていました。だから、柔道に関してやり残こしたことはほぼゼロです。英語はもう少しちゃんとやっておけば良かったと思います。
―学生生活のアドバイスをお願いします。
スポーツだけでなく授業を全力で受けました。また、体育や社会の教職の授業を取ることで、友達の幅が広がり、沢山の先生方と話す機会も増えました。自分の好きなことだけでなく、新たなことにも全力で取り組むことで、新しい発見もありますし、次に繋がると思います。
大野 陽子(おおの・ようこ)
1989年島根県生まれ。立命館宇治高校を経て本学産業社会学部卒業。三回生時には第26回全日本学生柔道体重別選手権大会70kg級にて優勝。2012年よりコマツ女子柔道部に所属。2018年バクー世界選手権大会70kg級にて3位。