アジア・太平洋戦争勃発の日である12月8日に先立ち「不戦の集い」が本学3キャンパスで開催された。
不戦の集いは、立命館学園の構成員の代表が「わだつみ像」の前で平和を願い、不戦を誓う「像前集会」として1954年に始まって以来毎年行われており、今年で65回目を数える。
12月7日に国際平和ミュージアム(京都市北区)のわだつみ像前で行われた式典では、参列者全員が戦没者への黙祷を捧げたのち、教職員や学生による献花が行われた。その後、不戦の集い実行委員会委員長の山本朔さん(生命4)、吉田美喜夫総長、本田稔教職員組合執行委員長が登壇し、それぞれが平和に対する思いや不戦の決意を表明した。
吉田総長は挨拶の中で「戦争の生々しい記憶を持った人は次第に少なくなっている。そんな中でそれらの記憶を次の世代に継承し、平和な未来の担い手を育てることが教育者としての役目だ」と学園を代表して述べ「『未来を信じ、未来に生きる』というわだつみ像の碑文は卒業証書にも記されている。この言葉を胸に、自分たちが国の行く末を決めるということを忘れないでほしい」と学生に呼びかけた。
山本さんは3日間の不戦の集いを「学生をはじめ多くの方が集まってくれた。平和について考える良い機会になったのではないか」と振り返り「我々のような若い世代が今後も平和を維持していくためには、正しい歴史を学び、同じ過ちを決して繰り返さないことが重要だ。未来は今の連続。明るい未来を創り上げるために、これからの時代を担う世代が、今から当事者意識を持って歴史を学んでくれれば何より」と語った。
また、わだつみ像の前に設置された献花台には、学生や近隣住民を含めた参列者によって約60輪のカーネーションや花束が手向けられた。(小板橋)