12月8日、立命館大学国際平和ミュージアム(京都市北区)にて「不戦のつどい わだつみ像前集会」が挙行された。立命館大学国際平和ミュージアムは今年9月23日にリニューアルオープンを迎えた。改修工事のため、昨年まで本学衣笠キャンパスの平井嘉一郎記念図書館2階のエレベーターホールに設置されていたわだつみ像が、立命館大学国際平和ミュージアムに再設置。それから初の不戦のつどいとなった。
不戦のつどいは、本学の教育理念である「平和と民主主義」に基づき「二度と学生を戦地へ送り出さない」「二度とペンを銃に持ち替えない」といった反戦・平和への誓いを新たにする式典。本集会は、わだつみ像建立の1年後である1954年に第1回が開催されて以降欠かさず挙行されており、今回は節目となる70回目の開催となった。
本式典は参加者全員の黙とうから始まった。不戦のつどい実行委員会委員長である吉田龍太さん(文4)のあいさつでは「我々戦争を知らない世代は、当事者意識を持って戦争の歴史を再認識することが必要。先人たちの教訓から『同じ過ちを繰り返してはならない』と戦争を知らない後世に伝えていく責任がある」とし、学生の目線から平和への思いを語った。
続く仲谷善雄総長のあいさつでは、ウクライナやパレスチナを取り巻く戦争問題に触れ、現在も戦争による災禍が続いていることを指摘。「現実に向き合い一国の利害にとらわれず、今と未来に生きる世界の人々の目線に立って理解し考え、行動する誓いの集会」と今一度不戦のつどいの存在意義に立ち返った。
その後、本学園関係者や学友会、教職員組合、生活協同組合などの各代表者が献花を行った。
最後に松本朗教職員組合執行委員長は、戦争の世紀に向かっている現状を憂い「再び学徒出陣と同じような兵役制度が敷かれる可能性もある。高等教育を守っていかなければならない」と述べ、閉会のあいさつとした。
今年は1943年の学徒出陣から80年を迎える。会場では1995年に出版された立命館大学・学徒出陣50年刊行委員会による『わだつみ 不戦の誓い』(岩波書店)が配布され、平和について今一度考える一助となった。
(三好)