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関西将棋会館が高槻市へ移転 魅力発信の一手へ

関西将棋会館(大阪市福島区)は、設立から今年で40年の節目を迎えた。東京・将棋会館(東京都渋谷区)と並んで将棋の聖地とされる関西将棋会館は老朽化の影響などにより、大阪府高槻市への移転が進んでいる。

大阪府の北東部に位置する高槻市は、大阪いばらきキャンパスが立地する茨木市に隣接している。高槻市と将棋のつながりは古く、安土桃山時代に築かれたという市内城跡からは、当時使われていたとされる「駒」が発見されている。また近年では「将棋のまち高槻」と銘打ち、8大タイトルの一つである王将戦の連続誘致や子ども将棋教室の開講など将棋文化の振興に取り組んでいる。

高槻市は2018年に、全国の自治体で初となる日本将棋連盟との包括連携協定を締結。2019年には関西将棋会館移転の誘致を同連盟に提案した。関西将棋会館設立40年の節目となった2021年7月には、同連盟と移転に携わる合意書の締結を行い、高槻市への関西将棋会館の移転が正式に決定した。

また高槻市は同連盟と協力し、関西将棋会館の建設費用を集める、ふるさと納税型のクラウドファンディングを開設。2021年7月から12月の1期目は終了まで2カ月ほどの期間を残し、目標金額の1億円に達した。これについて高槻市の街にぎわい部観光シティセールス課は「全国の多くの方に共感いただいた結果だと感じている。皆さまの思いに応えるためにも、引き続き、関西将棋会館の移転に向け連盟とともに取り組んでいきたい」と意気込みを語る。

さらに関西将棋会館の移転が高槻市に及ぼす影響について同課は「将棋という日本古来の伝統文化の振興を通じた市民文化の向上はもちろん、青少年の健全育成や生涯学習の推進などさまざまな効果が期待できると考えている」とする。これまで、ラッピングバスの運行など多角的に会館移転の広報活動に努めてきた高槻市。ふるさと納税の需要が高まる年末に向け同課は「今後、インターネット広告やSNSなどを活用し、クラウドファンディングのプロモーションを実施していく。2022年1月2日まで、JR大阪駅のデジタルサイネージで広告を発信している。皆さまに見ていただきたい」と話した。(奥野)

移転予定地である高槻市の市バスJR高槻西停留所

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