29日に「安楽死」をテーマにした本学法学会2024年度秋学期学術講演会が行われる。講演会に先立ち22日、存心館311教室にて事前学習会が行われた。
安楽死(euthanasia)とは、回復の見込みのない患者を苦痛から解放するため、その生命を終結させること。今回の事前学習会では、安楽死が殺人罪(刑法199条)や同意殺人罪(刑法202条)に該当するかどうかについて注目した。
同学習会は本学法学会学生委員会が主催したもので、講師は本学法学部・菊池諒准教授。「法学から見た安楽死問題」をテーマに、学説や判例の紹介や法律の国際的な比較を行いながら、安楽死の法的な問題点、安楽死に関する法整備、安楽死問題に関する議論について取り上げた。
事前学習会には、法学部をはじめとする学生が約60人参加した。参加した金原悠介さん(法4)は「法学部生なので、ついつい法律の問題に注目しがちであるが、安楽死問題は医学や倫理学などの広い視野が必要。安楽死の自己決定と公権力との関係などにも注目したい」と話し、来週の学術講演会への意欲を見せた。
本学法学会学生委員会委員長の井上翼さん(法2)は「安楽死問題は法学だけでなく倫理学でも議論されている。京都大学の教授が本学で講義されることも貴重な機会だ。講演会に参加することで自分の考えを持ってほしい」と熱く思いを語り、講演会への参加を呼び掛けた。
本学法学会2024年度秋学期学術講演会は29日午後4時20分から存心館311教室にて行われる。講師は京都大学大学院文学研究科・児玉聡教授で、講演会のテーマは「倫理学から見た安楽死問題」。一般、学部、回生問わず参加でき、参加費無料。事前申し込みなし。
(長尾、八木)