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2022年度第1回全学協議会代表者会議開催 未来を見据え、議論のバージョンアップを

6月3日、2022年度第1回全学協議会代表者会議がメイン会場である朱雀キャンパスとZoomを用いたオンラインで開催された。

会議には大学(常任理事会)、学友会、院生協議会連合会、教職員組合、立命館生活協同組合からそれぞれ代表者が出席。同会議は新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため代表者と対面参加を希望するその他出席者・オブザーバー参加の学生のみがメイン会場に集まり、その他の出席者・学生はオンラインでの参加となった。

学友会からは、石川寛太中央常任委員長(映像4)、大道寺諒中央常任副委員長(文4)、吉田龍太学園振興委員長(文3)、石倉綜馬中央事務局長(法4)が対面参加をした。同会議では、R2020での取り組みや新型コロナウイルス禍を振り返るとともに、RS学園通信「2022年度全学協議会に向けて(仮)」ドラフト案について説明がされた。また、それについて各パートの質疑応答、今年度の全学協議会に向けた見解表明が行われた。

以下では、同会議で議論されたことのうち、特に学友会からの質疑応答を中心に取り上げている。

開会挨拶

仲谷善雄総長は、開会挨拶にて3年目となるコロナ禍の学生生活において「緊急事態で各自が置かれた状況によってその捉え方はさまざまであり、各自の抱える問題点が大きくクローズアップされる傾向にある。それぞれの抱える問題点を提示し合い、共有して皆で解決する方法を考えることが重要になる」と述べた。またそれは昨今のウクライナ情勢など世界的課題についても同様であり「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「GX(グリーントランスフォーメーション)」「ダイバーシティ&インクルージョン」などさまざまな施策にどのように取り組んでいくのか、そしてそれを支える学園の財政構造はどうあるべきかなど、学友会と一緒に考え議論したい事柄は多くあるとした。最後に「有益な意見交換や議論ができれば」と期待を寄せた。

仲谷善雄総長

第一議題 R2020の取り組みや新型コロナウイルス禍の振り返りとR2030チャレンジ・デザインの具体化について2021年度第1回全学協議会代表者会議での議論を踏まえて

まず、伊坂副総長がRS学園通信「2022年度全学協議会に向けて(仮)」ドラフト案について、まだ審議途中であるものの常任理事会・教学委員会などで深く議論がなされたとして、参加者に説明を行った。

ここでは、特に2030年以降の教学展開や大学の価値創造を踏まえた立命館の学費政策が提示された。また、奥村陽一常務理事は前年のR2020の学費政策について「相当な支出増加が伴ったが、この期間一度も学費改定を行わなかった点は過去と違うところだ」とし、その理由を「収入多様化や経費削減の取り組み、財政運営の総合的な取り組みの効果」と説明する。実際に、資金運用収入は2010年に10億円程度であったが、今では20億円以上を毎年確保できているという。R2030では、これを財源としてR2030ではチャレンジデザイン推進、戦略的推進の取り組みが行われる。

2023~2026年度入の学部生の学費については、2021年全学協議会代表者会議において、学費政策の議論への参画の仕方について要望を受け、以降、学友会との懇談を重ねてきており、今回、「教学の持続的な改善質向上」「財政バランスの健全性の維持」「R2030のチャレンジデザインの推進」の三つを一つに結び合わせて提起をしていると追加で説明がされた。

参加者に説明を行う伊坂忠夫副総長

第一議題について質疑応答

新たな学費の改定方式の前提として「大学としては教育活動外の収支、収入を持ってR2030などに関わる新たな学びや投資を行う。その結果一定効果が検証されたものについては恒常的に学びとして組み込む」という理解をしている点を大学側と共有した。

これを踏まえ「教育外の収入で行っていた施策が教育内に移行するなかで、財務状況が悪化した場合は、教学維持改善費を用いて、学びを受ける学生の教学を向上させることが今回の授業料改定の方針であるのか」と質問し、奥村常務理事は「仕組みは合っている。その場合、取り組みの見直しがなされた上で、教育活動収支の中で、どうしてもバランスが取れない場合は教育活動維持改善費の適用を検討したい。ただし、適用金額をどうするかは事前に学友会に説明して決定していきたい」と答えた。

加えて、R2030や学費に関する今年度の学友会の考え方や構成について「大学財政や学費改正方式などの学費に関する主な議論を金額ベースではなく、大学の学費を原資として行う施策が学生に対する満足度にいかに影響しているかを議論にしたい」と石川中央常任委員長は見解を示した。
また石川中央常任委員長は「未来の大学生に対し、どのような価値提供を大学が行ってくれるか」そして「学生たちが早急に解決を求める観点」の二つを持って学費が学生に対して見合うものなのかを議論したいとした。

石川寛太中央常任委員長

また吉田学園振興委員長は「R2030の財政面について、『チャレンジデザインの機動的な推進を目指し、受取利息・配当金収入などの教育活動外収入を財源とする新たな予算を設定し、効果検証を行う』という点では、教学関連の効果検証には学友会も関わっていけるのか」について問いかけ「効果検証は毎年行われる予定。事業計画、もしくは事業報告という形でオープンになっていくことも当然その中にある。また教学維持改善費が適用される時に、そこにどのような意図があるのか、各施策の進捗や効果が分かるような形で学友会の方にも説明がなされるだろう」との回答を奥村常務理事より得た。

吉田龍太学園振興委員長

第二議題 2022年度全学協議会へ向けた各パートからの見解表明

第二議題では「2022年度全学協議会へ向けた各パートからの見解表明」が行われた。
石川中央常任委員長は、前述の学費議論に対する姿勢を踏まえ「学友会としては、より本質的な現在、未来のあり方について議論を行いたい」と話し、そこに必要な二つの観点を示した。一点目は「在学生に対する施策について学友会と大学各部科における一定の拘束力を持った懇談会」、二点目は「未来の学生に対し、全学アンケート等の統計的なデータを踏まえた、R2030の中長期的方向性に基づくより挑戦的な大学との議論」であるとした。

また絹川浩敏教職員組合委員長は「R2020は、教職員の頑張りもあり成功したと考える一方、それはきちんと収入増をもたらすものではなかった。またいろいろな側面で学生・院生・保護者が納得する説明を求める。教学施策と財政施策を両輪で考え、学習成果や学生の成長の可視化と財政の可視化に引き続き取り組んでいきたい」と今後を見据えた。

その後、加國尚志生活協同組合理事長は、コロナ禍における学生の登校日数の減少や物価の値上がりなどといった点による学生生活への影響を懸念しつつ「全構成員自治の理念が貫かれ大学の主体者である学生・院生の生活実態を丁寧に踏まえることに改めて臨みたい」と語った。
第二議題の最後には、伊坂副総長からまとめと今後の展望が示された。

第二議題について質疑応答

最後の議題として、各部署への全体的な質疑応答がなされた。
森島理事長は「学友会は、一定の決定力を持った懇談会がほしい、また未来の学生に向けたR2030への中長期計画について意見交換をしたい、と提案している。これはこれまでの懇談会や全学協議会とは違うものを求めているのか、それとも同じ形式でいいのか。議題を明確に」と確認の問いを投げかけた。

石川中央常任委員長は、学友会として今まで各部門と懇談会を行ってきたが、あくまで出席者の発言は非公式だったとの認識を示し「全学協議会や代表者会議での発言は公式のものだと認識しているが、そのように懇談会レベルでの発言も公式として扱ってほしい、もしくは公式となる場を増やしてほしい。現在の全学協議会の仕組みで、大学側・学友会側で発展的なことを議論したい」と説明した。

これに対し、森島理事長は「コロナ禍での教職員の取り組みはウィズコロナからアフターコロナ、あるいは新しい大学教育像を導き出すものになっている。このことを議論することは、現在の学生の課題に一定の決定力を持たせ、大学改革に繋がるのではないか。ぜひ学友会は具体的な要求や提案を言ってもらいたい。」と問いかけた。また、「懇談会や全学協議会などなるべく多くの機会をもって責任ある回答をし、論点に答えていくようなことを求めているのか」との問いを投げた。

森島朋三理事長

石川中央常任委員長は「そのようなコンスタントに自主的に解決できる場を設けてもらえるとありがたい。学友会としても、全学協議会を学費提起ありきの議論をする場という考え方から、理事長の発言のような場を、より発展的な立命館大学の未来のための議論を行う場として位置づけていきたい」と今後の議論を見据えた。

閉会挨拶

本会議の最後には、仲谷総長より会議を締め括る挨拶がされた。
「それぞれのパートで問題を出し合い、真摯に議論できたと思う。学費に見合った教学の提供については非常に重く受け止めている。その問いに答えるべく、学生だけでなく教職員も、あるべき未来を創造していくために誰もが挑戦できる場を大学が提供する」と今回の議論を振り返る。さらに今後について「R2030では、学部と大学院を切り離して考えず、学部における探究から大学院における研究への流れを作り出し、高度な研究活動に学部生がさまざまな形で参画することで、高度な専門性とデザイン能力を兼ね備え、社会的実践を通じてさまざまな課題の解決を推進できるような人材を輩出していく。学生のみなさんが学びと成長を実感できる場は、今言ったような研究と教育の拡大的再結合を通じて達成されると我々は考える」と展望した。

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