本学は1日、びわこ・くさつキャンパス(BKC)の開設30周年を記念する式典を同キャンパスのプリズムホールで開催した。式典には、本学の教育・研究などを支援する自治体や企業の人々、BKCの発展に尽力した大学関係者などが参列。地域と共に歩んだBKCの30周年を祝した。
BKCは「びわこ文化公園都市」の整備を進めていた滋賀県から無償で提供された土地に開設された、敷地面積約61万平方メートルを誇る広大なキャンバス。
急速に科学技術が発展を遂げていた1990年代当時、科学技術をけん引する高度な教育・研究創造を実現するには、新キャンパスが不可欠とされていた。94年に理工学部が衣笠キャンパスからBKCへ移転。1学部約4600人の学生だけで始まったBKCは、今では6学部6研究科の学生約1万4千人が学ぶ拠点となった。関係者の話では、滋賀県内の大学生の約45%を本学学生が占めているという。
1994年に開かれた開設記念式典では、学校法人立命館の大南(おおなみ)正瑛総長(当時)が「21世紀の科学技術は、政治や経済のシステムだけではなく、文化や人類の完成と調和したものでなければならず、ヒューマニスティック、サイエンス、テクノロジーの発展に寄与していく」と誓っていた。
記念式典であいさつに立った、立命館の仲谷善雄総長は「さまざまな学問分野が交差する文理融合キャンパスとして、常に新たな教育・研究システムの開発に努め、大南先生の誓いを実現すべく学園を挙げてまい進してきた」と振り返る。
開設当初から地域社会との連携を強く意識してきたBKC。「社会課題の解決や地域社会の発展に微力ながら貢献できたのではないか」と仲谷総長は見解を語る。また、BKCにおける新施設の整備に触れ、「新施設の開設を契機に、教育・研究をさらに高度化させ、その成果の社会実装をより一層進めていく」と今後の展望を語った。
来賓として式に参列した橋川渉草津市長は、祝辞の中で「開設以来、産官学連携による学術文化都市として目覚ましい発展をもたらしていただいた。教職員や学生の皆さまには、地域に多大な貢献をいただき、深く感謝している」と思いを述べる。
また、滋賀県の三日月大造知事は「キャンパスは大学の希望の礎であり、地域活力の源だと実感した。さらに共創・連携を深めていきたい」と意気込んだ。
来賓への謝辞として登壇した立命館の森島朋三理事長は、「BKCの創設は、立命館の未来を懸けた大プロジェクトであった。滋賀県と草津市の(誘致の)申し出がなければ、立命館の今日はない」と振り返り、「地域の皆さんに感謝してもしきれない。立命館はこれからも地域の皆さんと一緒に生きていく」と話していた。
(小林)