大学などが夏休み期間を迎え、連日にぎわっている大阪・関西万博=①=。学校法人立命館は、シグネチャーパビリオンの一つ「いのちの遊び場 クラゲ館」に協賛している。本学や立命館アジア太平洋大学(APU)、付属校の学園全体で万博に取り組む構えだ。立命館はなぜ協賛し、取り組むのか聞くと、教育機関として参画する意義を強調する。
多くの人が押し寄せる大屋根リング。大阪・関西万博のシンボルとして知られる=大阪市此花区①大阪・関西万博 大阪市此花区の人工島・夢洲で、4月13日から10月13日まで開催される国際博覧会。2025年日本国際博覧会協会(万博協会)が主催する。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献と、日本の国家戦略「Society5.0」の実現を目指す。158の国や地域と7つの国際機関のほか、自治体や民間企業も参加する。
■教育機関として
「万博になぜ大学が協賛したんですか」。問われることは多いと本学総務部の長谷川哲さん。立命館の学生・教職員には依然、万博への協賛を疑問視する声も少なくない中、「大阪にキャンパスがあるから、という単純な理由ではない」と説明する。
その根拠として挙げたのが「国際博覧会条約」だ。1928年に制定された同条約の第1条に「名称のいかんを問わず、公衆の教育を主たる目的とする催し」と明記されている。「大学・教育機関が率先して協賛することはごく自然なことだ」と長谷川さんは強調する。
立命館と万博との関わり(OIC地域連携課提供)また万博の事業指針は、SDGs達成に貢献するために、企業や教育機関、個人などさまざまな参加者が主体となって、未来社会を共に創り上げていくことを目指している。立命館が掲げる「学園ビジョンR2030」と方向性が一致した。
立命館は2021年ごろ、万博への参画に向けた検討を始めた。翌22年には部署横断型で「立命館万博連携推進本部」を設置し、組織的に取り組む体制を整えた。「大学・教育機関としては、かなり早い動き出しだ」と自負している。
23年には立命館大学万博学生委員会「おおきに」が発足。開幕前から万博に向けてのワークショップ出展などの活動を続けてきた。
立命館の万博公式サイト立命館は広報にも力を入れてきた。万博の特設サイト「立命館×2025年大阪・関西万博」(https://www.ritsumei.ac.jp/expo2025/)を開設。インスタグラム(https://www.instagram.com/ritsumeikan_expo/)などのSNS(交流サイト)でも発信を続けている。
学内では、各キャンパスに「万博ブース」を設け、「おおきに」の広報班が作成したポスターなどを掲示している。
万博協会が学園祭で設けたブースで作ることができた缶バッジ。子どもたちが多く集まっていた= 2024年11月10日、大阪府茨木市本学の学園祭「OIC祭典」(11月10日)や、本学と茨木市が共催する地域交流イベント「いばらき×立命館DAY 2025」(いばりつ、5月18日)などでも、万博を見据えた取り組みを続けてきた。
OIC祭典では、万博協会が万博の公式キャラクター「ミャクミャク」やロゴが描かれた缶バッジを作れるコーナーを設け、アピールした。「いばりつ」では、万博学生委員会「おおきに」が大豆ミートを使用したキーマカレーを販売したほか、ブースの出展でワークショップを実施し、社会問題に関心を持つ機会づくりを行った。
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