京都市の松井孝治市長は2月25日、市民優先価格の制度概要を公表した。「市民優先価格」は京都市に住民票がある市民の運賃を、観光客などの市民以外よりも割安にするもの。

京都市バスの快速205系統=2025年5月24日、衣笠キャンパス

現行の均一区間運賃230円を、市民は200円、市民以外は350~400円へと変更する計画で、来年度中の実現を目指す。

観光客を含む市民以外の運賃に、市民の割引分や観光課題対策費用などを上乗せする形だ。導入されれば、市民の割引分を行政負担ではなく、運賃で賄うことから、公共交通機関では全国初の取組となる。

京都市交通局は今後、改定運賃の認可を得るため、国土交通省に申請する。認可されれば正式な運賃が決定される。

また、市内全域で市民優先価格を導入するため、市バス以外の市内の路線バスを運行する企業にも、導入に参画するよう京都市の所管部署が中心となって協議を重ねているとのこと。

市民と市民以外の識別には、マイナンバーカードをひも付けた交通系ICカードを利用する。ICカードの裏面にある17桁の番号を事前にウェブなどを活用して登録し、そのICカードで運賃を支払うと、自動的に割引が適用される。

利用頻度の多い市民以外の利用者に対しても負担軽減を図る方針を示した。どれほどの頻度を基準にするかは検討中。割引の方法には、同局が展開するICポイントサービス「もえポっ」を用いたポイント還元などで実質的な割引を行うことも選択肢の一つとしている。

定期券においては、来年度の導入後においても現行と同じく230円基準の運賃で据え置きする方向。

市民優先価格の導入の狙いは、市民が観光客に抱くネガティブな印象を和らげることにある。市民生活と観光の調和・両立を推進するという同市の取り組みの一環だ。

同局の担当者は、「(市外に住民票があり、京都市に下宿する学生は)住民票を移すことに抵抗を感じている方もいるかもしれないが、住民票を移せばメリットもある。こうしたことを学生にも知ってもらえるように伝えていきたい」とした。

(室山)