立命館大学新聞は、12月21日に発行した11・12月合併号で第800号を迎えた。1970年に「立命館大学新聞」の創刊号である「新聞社再建新年特集号」が発行されて以来、50年間、本紙は学生に寄り添う学生新聞として、活動を続けてきた。本学には、創刊号から今日に至るまでの立命館大学新聞が保管されている。学生新聞は、その当時の大学の様子を学生の視点で詳細に伝える、非常に貴重な資料である。過去に発行された立命館大学新聞とともに、50年前の立命館大学を3日間に渡って振り返ろう。
1日目は、広小路キャンパスから衣笠キャンパスへの産業社会学部移転について取り上げる。
本紙が創刊号を発行したのは1970年1月12日。トップを飾るのは「七〇年代の幕開けと本紙の創刊に際して」という挨拶文だ。同文では1970年代がどのような時代となるかについて展望を述べ、最後を「本紙を自らの新聞として位置づけ、発展させていかれんことを期待する」と結んでいる。立命館大学や関西に関係するニュースだけでなく、政治、社会に関する全国的な話題も掲載していた。
また創刊号の1面では、産業社会学部の広小路キャンパスから衣笠キャンパスへの移転決定について取り上げている。移転の背景にあるのは、1969年に起きた全共闘を名乗る暴力的な学生による当時の恒心館の破壊。この事件により、産業社会学部は拠点校舎を失うこととなった。その後、1969年12月に行われた学部学生投票では、投票に参加した学部生の7割近くが移転に賛成。この投票結果をもとに、年末に学生が衣笠移転に正式に同意。1971年4月からの移転が確定し、新たな拠点校舎の完成は10月が予定された。
しかしその後、建設計画は大幅に遅れることとなる。9月16日発行の第32号では「現在やっと鉄骨の骨組みが始まったばかり」と工事の現状について報じ、10月完成を疑問視する声を紹介した。第33号でも、完成が11月末になる見通しとなったことが建設関係者と産業社会学部学部長の間で確認されたことを取り上げている。産業社会学部が衣笠へ移転した後も、新たな拠点校舎が完成するまで学部生はプレハブ校舎で授業を受け続けた。
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