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海神DIGITAL「春」

立命館大学新聞のコラム欄「海神(わだつみ)」。記者が日々の思いを語ります。

一陽来復。冬が明け春が訪れることを意味する言葉で、転じて不幸が続いた後に幸運へと向かうことを指す。マスクに隠れた顔からは、新入生の晴れ晴れしい表情をうかがい知ることはできない。それでも、多くの真新しいスーツの中では、これからはじまるキャンパスライフに、胸が大きく高鳴っているのだろうと思う。

春は来た、と明るく言える世の中では、まだないかもしれない。新型コロナウイルスの感染者数は日々増え続け、コロナ収束がいつになるのか、誰も分からない状況だ。しかし、対面授業や訪れる人の数も1年前よりは増え、大学は徐々に元の姿へと戻りつつある。入学式も新歓行事も、去年は見られなかった光景だ。大学生活の折り返し地点に立った今でも、私は2年前の入学式の日を、不安と期待が入り混じった心が浮き立つあの感覚を、はっきりと思い出すことができる。また今年も、多くの新入生が同じような気持ちを抱えて、大学生としての日々をスタートさせようとしている。どのような世の中になっても、新しい一歩を踏み出す人の心は変わらない。

明けない冬はない。同じように、この暗い時世にも、いつか必ず終わりが来るはずだ。耐え忍ぶことや、思い通りにならないことが多い中でも、授業を受ける楽しさや、大学生になった喜びを感じてほしい。そして将来、大学生活を振り返ったとき「幸せだった」と思えるような日々を新入生が過ごすことを、私は切に願っている。(波多野)

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