本学は5月23日から衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス、大阪いばらきキャンパスで職域追加接種を開始した。対象は2回目接種日から7カ月経過している18歳以上の本学学⽣、教職員、関係企業社員、本学園附属校生、近隣市民。5月12日時点で、約2万の接種枠が用意されている。
本学保健センターの伊東宏所長は、オミクロン株とその派生株に対して「2回目接種だけでは発症予防効果が期待できなくなっている」と指摘。新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料から「3回目を接種すれば、発症予防効果が68~85%くらいまで高まる。さらに重症化予防効果は、徐々に低下するものの、3カ月経っても60%以上有効性がある」とした。これを踏まえ「家庭内にウイルスを持ち込みたくないと考える人や、試験などを控え、特に罹患したくないと考える人、自身の重症化リスクが高い人は特に接種を検討してほしい」と接種の判断について言及した。
職域接種開始時期について、本学総務課の米倉潤さんは「学生の半数が地方出身者であり、春休みに帰省した学生もいること、新入生に対する接種機会の確保が必要であることから、新学期からの開始が望ましいと考えた。また保健センターの業務が4月に集中することも踏まえ、実施可能な時期を判断した」とした。さらに伊東所長は「1、2回目接種が11月ごろまで実施されたことに鑑みると、幅広い接種時期に対応する必要がある。加えて現在、一般の医院での接種が困難なこともあり、大学の職域接種として門を開くことで接種希望者に接種することができる」と接種期間の観点からも言及した。
米倉さんは実施経緯を「12月15日に学生・生徒、教職員、学園関係者、そして地域市民の方の安全・安心を守るために実施を決定。2月16日に実施内容が正式に決定された後、これまで接種準備を進めてきた」とした。なお、本学総務課が実施したアンケートでは、アンケートに回答した学生2883名のうち66.4%が本学でのワクチン職域追加接種を希望しているという。(川村)