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本学教授が講演 IoTセキュリティ研究センターで研究が加速

セミナーで講演した上原教授(左)、毛利教授

「IoTセキュリティ研究センター設立記念セミナー」が1月6日、オンラインで開催された。センター長である、本学情報理工学部の上原哲太郎教授らが登壇し、サイバーセキュリティの現状や本センターの果たす役割などについて解説した。本センターは昨年8月1日、IoTセキュリティにおける人材の育成や研究開発を目的として、びわこ・くさつキャンパスに設立された機関。現時点で18人の研究員が所属している。

上原教授は「IoTセキュリティ研究センターの紹介」と題して講演を行った。現代日本の課題として「デジタル敗戦」を挙げた。スマホの普及が一時停滞したことや、FAXが使われ続けていることを例に出し「通信インフラは一流なのに、サービスが育たず、普及がなかなか進まない。デジタル化の波に乗り切れていないのでは」と指摘した。また、人材流動性が低いため「エンジニアが1つの企業に特化し、新たな技術が生まれにくい」という問題があるという。大学の役割として、新技術導入の遅れをカバーすることや、技術者の再教育、情報の提供などがあり、本学としてできることを検討した結果、本センターの設立に至ったと説明した。

本センターでは産学連携の促進を目指しており、すでに企業と連携してネットワーク接続に関する実証実験を行った事例がある。人材育成のための活動も始まっており、IoTおよびセキュリティ対応の技術者を育成するためのカリキュラムや教材を開発している。

IoTセキュリティ研究センターウェブサイト

副センター長である、情報理工学部の毛利公一教授は「IoTとシステムソフトウェア」と題し、システムソフトウェアの視点からIoTとセキュリティの発展について講演した。毛利教授によれば、1999年にIoTという言葉が生まれてから、ハードウェアやネットワークの技術が進展し、動作環境や通信、利用者が多種多様化しているという。また、サービス提供者と利用者の期待がより鮮明になり、大量のデータを扱う必要が出てきている。さらに、IoTに対する脅威はより大きくなっており、信頼性が求められている。本センターでは、IoTの発展とセキュリティの向上を2つの軸にして研究を進めていきたいとした。(鈴木)

KEY WORD「IoT」

「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳される。「多種多様なモノが多数インターネットに接続され、その情報流通が基盤となる社会」を支えるための技術全般(上原教授)。

KEY WORD「システムソフトウェア」

コンピューターのシステム全体を管理し、種々のアプリケーションソフトに共通する利用環境を提供する基本的なプログラム(デジタル大辞泉)。

関連ウェブサイト

立命館大学IoTセキュリティ研究センター

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