「カナレットとヴェネツィアの輝き」が2月15日、京都文化博物館(京都市中京区)にて開幕した。同展は都市や名所を精密に描いた景観画「ヴェドゥータ」の巨匠として知られる画家、カナレットの全貌を紹介する日本初の展覧会。2月14日には一般公開に先立って報道関係者向けの内覧会が行われ、関係者を魅了した。

同展は「カナレット以前のヴェネツィア」「カナレットのヴェドゥータ」「カナレットの版画と素描」「同時代の画家たち、後継者たちーカナレットに連なる系譜の展開」「カナレットの遺産」の全5章で構成され、カナレット以前から19世紀まで、ヴェネツィアの描かれ方の変遷をたどる。
第2章「カナレットのヴェドゥータ」では、「カナル・グランデのレガッタ」や「昇天祭、モーロ河岸のブチントーロ」など、澄み渡る空や輝く水の波紋の表現や、定規を用いたカナレットの定型的な表現が見られる作品が展示されている。

The Bowes Museum, Barnard Castle, Co. Durham, England

ダリッジ美術館、ロンドン Dulwich Picture Gallery, London
また、第3章「カナレットの版画と素描」では、素描や版画、そして光学の原理を利用して外の景色を投影する装置「カメラ・オブスキュラ」をもとにカナレットの作品に迫る。


続く第4章「同時代の画家たち、後継者たちーカナレットに連なる系譜の展開」では、フランチェスコ・グアルディの「小さな広場と建物のあるカプリッチョ」や、カナレットの甥ベルナルド・ベロットの「ルッカ、サン・マルティーノ広場」など、カナレットの影響を受けた画家による作品が展示されている。


同展は、京都文化博物館の4階・3階展示室にて開催されている。会期は4月13日まで(休館日は毎週月曜日)。開室時間は午前10時から午後6時まで、金曜日のみ午後7時30分までとなる(入場は閉室の30分前まで)。入場料は大学生の場合1200円。詳細は公式サイトを参照。(八木、小林)