2月19日から21日にかけて、本学映像学部の卒業制作展である「立命館映像展」がオンラインで開催された。
立命館映像展は毎年2月ごろ、イオンモールKYOTO内のTジョイシアターやKOTOホール(京都市南区)を貸し切って開催されていた。映像学部開設当初からの学部内最大級のイベントの一つであり、学生たちからは好評を博している。
経緯とテーマ
昨年10月ごろの段階では、十分な感染対策を行った上での対面開催が予定されていた。しかし、昨今のオンラインを推奨する風潮や度重なる緊急事態宣言下での大学のBCPレベルの変動などを受け、オンライン開催に至った。なお、今年は総数100以上の作品が出展された。
今年度のテーマである「ふれあう、えいぞう」は「映像を通じた共感」の意味であり、映像というものを「ツール」から「プラットフォーム」に変化させ、多くの人たちが共感し合えるものへと変えていこうという願いが込められている。密になる人と人の絵の中に、映像学部の学びのゾーン(映画芸術、ゲーム・エンターテイメント、クリエイティブテクノロジー、映像マネジメント、社会映像)を想起させる物が描かれたキービジュアルにも同様の思いが表れている。キービジュアルを担当したのは同学部の加茂前莉華子さん(映像4)である。
例年との違い
例年との大きな違いとして、映画・ドキュメンタリーなどの上映部門とゲーム・メディアアートなどの展示部門、その全てをYouTubeから鑑賞することになった点が挙げられる。開催について「例年決まった場所で行っていたため、スケジュールや場所の関係で参加できない方がいた分、今年度の反響は大きかった」と話すのは2021年度立命館映像展の総代表を務めた西村拓也さん(2021年映像学部卒)。実際、SNSでの事前告知もあり、例年の約3倍の視聴者数が観測されたという。そういったメリットがある一方、参加者が会場で体験する前提で設計・開発がされるような展示部門の作品は、動画だけでゲームなどの仕組みや様子を伝えなければいけない分、様々な工夫が求められた。
振り返って
「イオンモールKYOTOでの作品発表」という一大イベントを大学生活のモチベーションとし、晴れ舞台と考える学生も多い映像学部。西村さんは「学生の思いと参加者の安全を天秤にかけなければいけないことは本当に辛かったし、私自身発表を行う学生の立場もありながらの運営だったので、その決断にはかなり悩んだ」と当時を振り返る。
西村さんは新入生に対し「自分の現状から常にアップデートする気持ちを忘れなければ、とても充実した大学生活になるだろう」と期待を込めた。(佐野)