3月10日に「SCHOOL LIFE Seminar」がオンラインで開催された。SCHOOL LIFE Seminarとは「⽴命館⼤学学びのコミュニティ集団形成助成⾦(正課外プログラム)」の一環として行われるものである。本プログラムは2部制で行われ、第1部では藤原しおりさん(旧芸名ブルゾンちえみ)が参加学生350名に向けて講演を行った。第2部ではゲスト講師に川阪正樹さんを招き、第1部での講演内容を踏まえた「未来を描く手法」を学ぶ実践型ワークショップが行われた。川阪さんは企業での新入社員研修や教育現場での講演を行ったり、スポーツチームでのメンタルトレーニングコーチを務めたりと幅広く活躍をされている。
第1部 藤原しおりさんがオンラインで登壇
第1部では、藤原さんが「逆境下でも歩みを止めないキャリア形成について~コロナ禍における藤原しおり記~」と題したオンライン講演会を開催。「新しいフィールドに飛び込むこと」「コロナ禍でのモチベーションの保持」などのテーマに基づいた自身のこれまでの経験を語った。
「大学1回生、2回生の頃は何かを頑張りたいのに何を頑張ればいいのか分からず悩んだ。自分が一生懸命になれるものは何かを必死に考えた。いろいろやってみてやめて、また新しいことを始めて、を繰り返した時期だった」と当時を振り返った。
大学を中退後、エンターテインメントの世界に飛び込んだ藤原さん。劇団、音楽を経てお笑い芸人になった。今ではお笑い芸人の世界から旅立ち、新たな道を歩み続けている。
「ポジティブとネガティブは表裏一体。ネガティブをつきつめていくことでポジティブになれるのではないかと感じている。ネガティブがポジティブを生むと思っている」と自身の考えを語った。
参加学生からの質問に回答
藤原さんは講演のなかで、参加学生からの質問にも回答した。
「目の前にあることが『自分がやりたいことではない』と見切りをつける基準はあるか」
ーものすごく勇気のいること。自分の場合は何度も自問自答をして考えていると、どこかで嫌気がさす瞬間が来るので、そこが決断の瞬間なのではないかと考えている。
「自己決定の支えになっているものはあるか」
ー自分自身。「自分がやっていて満足しているのか、面白いと感じているのか」が大事だと思う。自分の軸を大切にしてほしい。
「コロナ禍でのモチベーションの保持をどのようにしているか」
ー「自分が好きなもの・こと」があるのが大事だと考えている。好きなものがあればしんどいことも頑張れると思う。自分自身も「はやく自分がやりたいことを探さないと」と焦っていた。自分の好きなものが見つからない人は、自分がわくわくするものをゆっくり探していけばいい。少しずつ、自分がやりたいことに照準を合わせていけばいいと思う。焦らず自分の声を聞いて進んで。
「他人からの意見はどこまで採用するべきか」
ー自分の意見が完全に正しいわけではないため、周りには聞くが、人の意見も「パターン」のひとつに過ぎない。AでもBでもどちらが正しいというのはないので、より自分に合っているのはどちらかを見極めている。
第2部 実践型ワークショップ 「未来を描く手法」を学ぶ
第2部では講師に川阪正樹さんを招き、リモートでワークショップを行った。
「やる気をどのように高めているか、やる気の正体とは何なのか」「目標と目的の違いとは」といったテーマで講演を行い、実践方法について発信した。
やる気の正体とは?目的と目標の違いとは?
川阪さんは「やる気の正体」について「動機づけ」という言葉を挙げた。「動機があれば人は意欲が上がり、行動を変えることができる」と話した。
また「目標」と「目的」の違いについても述べた。「『目標』とは『目指すしるべ』で、いくつあってもいい。そのしるべの先にあるのが『目的』で、『目指す的』、ゴールである。目標に対して『何のために』を考えるのが『目的』だ」と、目的と目標の両方の必要性を強調した。
さらに参加学生に実際に自分の目的・目標を図示化して探ってもらう時間を設け、オンラインでも実践を行った。
「未来を描く」ことの大切さ
ワークショップを通して川阪さんは、改めて「自分の未来を描くことの大切さ」「自分と向きあうことの大事さ」を語った。「できる、できないに関わらず『自分がこれからどうなりたいのか?』『本当はどうしたいのか?』と、考える時間も大切にしてほしい。これが、未来への目標・目的を見つけるきっかけになる」と言葉に力を込めた。
学生へのメッセージ
学生に向けて、藤原さんは「コロナでやりたいことをできていない人が多いと思う。でも人が成長できるのは『悔しさ』や『歯がゆさ』を感じているとき。いつか『あんなこともあったな』と笑える日が来るので安心して」とエールを送った。川阪さんは「もし目標がなければ、目標を見つけることを目標の一つとしてワークに取り組んでみてください。『タイミング イズ マネー』、機会を逃さず、ぜひ未来について積極的に考えてほしい」と呼びかけた。
(坂口)