本学の保健センターは、学生・教職員の学園生活を健康面から支援する施設だ。衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス(BKC)、大阪いばらきキャンパス(OIC)の3キャンパスに設置されている。
本施設には看護師や保健師が常駐し、怪我の応急処置や健康相談に応じる。また「保険医療機関」の指定を受けた「診療所」を併設しており、診察時間には内科や精神科の医師による診察や治療を受けることができるほか、健康保険を使った支払いにも対応している。保険医療機関の指定には所定の要件を満たす必要があるため、敷地内にこうした施設を有する大学は国内でも数少ない。
本学の保健センターの特徴の1つは、禁煙外来やレディースクリニックといった特殊外来を有することだ。禁煙したい学生や女性特有の悩みを相談したい学生など、悩みに応じて専門的な外来を受診することができる。中でも、留学時に必要となる可能性のあるワクチン接種や英文診断書の作成などに対応するトラベルクリニックは、国際化に力を入れる本学の方針に対応したもの。海外では一般的なワクチンでも国内で承認されていないものについて、本学ではその一部を取り入れている。学内施設に輸入ワクチンに対応したトラベルクリニックの機能を有するのは国内で東京大学と本学のみ。
本施設では、本学の新型コロナウイルス感染症対策も担う。一般診療とは動線が異なる「発熱外来」を衣笠、BKC、OICの3キャンパスに備え、万が一発熱しても学内の診療所で新型コロナの検査や治療が受けられる。
本施設の発熱外来では、新型コロナの各種検査を行える機器や診察に対応した設備を整備し、自治体から「診療・検査医療機関」の指定も受けている。PCR検査や抗体検査のほかに、HEPAフィルターと陰圧装置を備え、呼吸器感染症に対応した診療環境が整えられている。これらも同様に、国内の学内施設としてここまで整備されているのは極めて異例だ。
保健センター所長の伊東宏さんは学生に向け「学生生活を楽しんでもらいたいという想いが根底にある。学内施設としては、国内トップレベルの環境を目指して充実した体制を整えているので、何か不安があれば保健センターを利用してほしい」と語る。