5月20日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)にて春季リーグ第7節3回戦が行われた。
立命館大学は近畿大学を4-1で下し、4季ぶり38回目の優勝を決めた。立命館は関西学生野球連盟代表として6月に東京で開かれる全日本大学野球選手権に出場する。
優勝に向けて流れを引き寄せたのは、やはりキャプテン・辰己(産社4)の一振りだった。
初回、2死無塁。リーグ戦通算100安打に大手をかけた3番・辰己が打席に立つ。球場内には緊張感が立ち込め、カメラ席からは1球ごとにシャッターが切られる。
カウント3-2からの6球目。低めのスライダーを弾き返した。打球は前進する中堅手のグラブをかすめ、天然芝に跳ねた。ヒットかあるいはエラーか。球場中の視線がスコアボードに集まる。10秒ほどの後に「H」が点灯されると、2塁ベース上の辰己は小さくガッツポーズを見せた。
実はこれまで立命館は近大先発・小寺を苦手としていた。
「(小寺から)3点以上取ったことがない。勝ったこともない」と後藤監督が語るように、第1戦では小寺の前にわずか6安打1得点に抑えられていた。
その小寺から辰己が放った一打はチームを勢いづけるヒットとなった。
4番奈良も右前打で続き、辰己が先制のホームを踏んだ。
4回には四球を足掛かりに1死2塁の好機を作ると現在、首位打者の橋本(産社2)が左線に2塁打を放ち追加点を取る。
「リベンジをしてやろうという意気込みでマウンドに立った」と語る先発の山上(産社4)は前回登板で5回6失点を喫した相手を最速149㎞の直球で完ぺきに抑えこんだ。
最終回になっても球威はおとろえず最後の打者を一塁ゴロに打ち取ってゲームセット。
優勝を阻まれ続けた近大に雪辱を果たし、立命館が優勝を決めた。
キャプテンの辰己は「最高に楽しんだ結果が優勝につながった」と笑顔を見せた。
今年のチームスローガンである「完全燃焼~楽しめ~」を実行し、優勝した立命館。笑顔の野球でさらなる高み「日本一」を目指す。