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「コロナ禍の学費議論に多角的な視点を」学友会中央常任委員会インタビュー

立命館大学学友会は新型コロナウイルス感染症を受け、大学との協議を進めている。5月7日には学友会中央常任委員会と立命館大学学生部・教学部・財務部との間で懇談会が行われ、学びの質の担保や学費について協議された。学友会の新型コロナウイルスに関する大学との協議方針や大学の施策への評価、学友会の対応について、瀧谷吏玖中央常任委員長(経営4)と田沼直也中央事務局長(産社4)に話を聞いた。(石井)

オンラインで取材に応じる瀧谷中央常任委員長(左)と田沼中央事務局長(右)

Q.大学が打ち出した総額25億円の「学びの緊急支援」についてはどう評価するか?

瀧谷委員長:Web授業に必要なパソコンやルーターなどの貸出や、一律3万円給付については一定の評価をしています。ただ、困窮した学生への支援がしっかりと学生に伝わっているのか、それが十分な支援であるのかについてはまだまだ議論の余地があると思います。

田沼局長:一律3万円給付は対象者を絞らない点が評価できます。しかし、この3万円はオンライン環境整備のためのものとなっていますが、まだ給付はされていません。目的と合致していないのではないかと思います。また、この金額や支援内容で十分かということもまだわからない部分はあります。

Q.支援について大学側には何を要求したか?

瀧谷委員長:Web授業によって削減できた経費から支援の予算を捻出できないのかということを聞きましたが、大学からは25億円を補填できるようなものではないという回答がありました。パソコン・ルーターの貸出についてはこちらからも要求をし、普段のICT-Lab.の利用状況などを考慮し、必要台数の確保などを議論しました。

Q.緊急事態宣言発令よる休講5月7日に授業が再開、春学期中はWeb授業という一連の決定ついてどのように考えているか?

田沼局長:4月の休講は、授業は教員だけでなく、各学部の事務室などとの連携により成立するという考えの下で決定されました。授業再開後も緊急事態宣言が解除されておらず、職員の方が通常通り出勤できていないと思います。このような状況で、事務室との連携が取れた授業ができているのかは疑問です。実験科目や実習への対応が具体的に定まっていなかったり、3万円を受け取っていなかったりするような状態での授業再開だったので、もう少し対策を詰めてからでも良かったと思います。

Q.学びの質についてどのように考えているか?

瀧谷委員長:大学での学びは正課だけではありません。課外自主活動や、他者との交流も学びの一つではあるので、それらが制限されることは学びの質の低下だと考えています。

田沼局長:Web授業では学びの質は十分に担保されていないかもしれませんが、現在は現実的にWeb授業しかできない状況です。このような状況下で学びの質について評価することは早急であると考えます。

Q.キャンパス入構禁止の解除についてどのように考えているか?

田沼局長:キャンパス入構禁止の解除については、課外自主活動団体との兼ね合いや、各キャンパスが位置する府県の特徴なども考慮すべきではありますが、キャンパスに行くために府県をまたぐ移動をする学生や教職員が多いです。今後、入構禁止の解除について議論するなら、3キャンパスの一斉解除を要求します。

Q.学費減額の議論についてどのように考えているか?

瀧谷委員長:学費について議論するためには、学生と大学の間で「大学での学び」についての見解を一致させる必要があると思います。大学が本来提供できる学びが新型コロナウイルスの影響によって提供できていないのであれば、減額を求めていきます。

田沼局長:そもそも学費が高いということが挙げられると思います。そしてこの学費の高さがコロナ禍で可視化されたのではないでしょうか。大学の収入を学費に依存するのではなく、政府による助成金の増額などを大学として要求すれば、満額の学費を支払う必要はなくなり学生の負担は軽減されると考えます。今後はこのような多角的な視点から議論を進めます。

Q.学友会費の減額について検討しているか?

田沼局長:学友会費の減額についての議論はまだ早急であると考えます。今年度の会計が始まってまだ2ヶ月ほどですし、例年通りの活動ができなくても、備品購入などで学友会費を出金することは可能です。学友会費の減額ではなく、どのようにして学友会費に見合った活動ができるのかを考えていくべきだと思います。

Q.学友会員に向けて一言

瀧谷委員長:常任委員会は大学と議論をしていく組織です。しかし、常任委員会とすべての学生の意見が一致していないこともあるので、自治会やアンケートを通してしっかりと自身の意見を伝えてほしいと思います。皆様の一言が大学を変えるきっかけになります。

田沼局長:新型コロナウイルスによって「大学の在り方」を考える機会になったと思います。皆様にも大学の在り方を考えてほしいですし、そこでおかしいと思ったことがあれば自分たちで学びの場を創り上げていけるような意識を学生全体で形成できれば良いと思います。

 

学友会はホームページTwitterで今後の大学との懇談会の内容や、学友会の対応を公表していくとしている。また、学生の声を収集し、協議に役立てるとしてアンケート実施を検討している。

 

 

 

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