本学教学部は今年度春学期において、シラバス「授業スケジュール」に記載の、メディア授業で実施される講義の数に基づき、全体の約8割が対面授業、2割がメディア授業で実施される予定であることを明らかにした。
授業形態について、本学教学部の中本大部長は「試行錯誤の段階である」とする。特に外国語科目には学部によって差異があるのではないかと指摘。中本部長は「今年度の公開全学協議会や五者懇談会で各学部の特性を把握し、本学が行ってきた教学的な取り組みとともに議論したい」と積極的な姿勢を示す。
加えて、今年度の新型コロナウイルスに関わる授業配慮は、本学が規定する「申し出可能な学生」のみに対象が限定され、申請が厳格化されている。中本部長は、この意図としてコミュニティ形成における大学の役割の重要性を挙げる。2020年度入学者の学力やメディア授業の双方向性、授業の質に鑑みれば、メディア授業でも学力担保の問題はないとの見解を示した上で「ピア・サポートなどの学生同士が支え合う機会の喪失をはじめ、学生がキャンパスに来ないことでアンケートだけではすくいきれないものが失われていると考える」とした。
また、BCPレベル2の対面授業実施に関して、機器類の整備や政府が定める基準での換気が可能になったことを踏まえ、教室定員が100%の状態での運用が法人によって許可されたという。大規模な講義室でのクラスターは発生していないことや、保健センターの伊東宏所長を交えた感染症対策委員会の協議からも中本部長は「基本的な感染症対策をきちんとすれば『現行の形態でも問題ない』という確認ができている」とした。
メディア授業のガイドライン策定
今年度、本学ではメディア授業のガイドラインが策定され、メディア授業と対面授業が定義されている。メディア授業は、同時配信型とオンデマンド型の2つに分類され、両者ともに教員と学生の双方向性が担保されていなければならないとされている。オンデマンド型の場合、授業動画は定められたスケジュールに合わせて公開することとし、数回分の動画をまとめて公開するのは不可としている。
さらに、本学はメディア授業を8回以上行った場合は「遠隔授業」と位置付け、学部則に反映させなければならないとしている。一方で対面授業を8回以上行った場合は「対面授業」とみなされる。なお、これは文部科学省からの「大学等における遠隔授業の取扱いについて」の通達が踏まえられたものである。これについて中本部長は「教学委員会での議論の上で、メディア授業は有用だという観点から、積極的な導入を阻害しない方向に舵を切っている」とした。(川村)