本学国際平和ミュージアム(京都市北区)で午後1時から、平和を実現するためにできることについて、対話し考える場として平和創造ワークショップが3部構成で開かれた。
1部では、武器アート寄贈セレモニーや「武器をアートに」という対談企画が行われ、2部では、アルミホイルを使って自分の考える平和を形にする平和アートワークが開かれた。3部ではモザンビークの伝統楽器であるティンビラが演奏され、聴者を魅了した。
対談企画に登壇したフィエル・ドス・サントスさんは、モザンビーク在住のアーティストで、1972年、独立戦争中に生まれ、1977年から1992年まで続いた1975年に始まった内戦の中で育った経験を持つ。フィエルさんは、内戦終結後、「銃を鍬に」プロジェクト=①=に深く関わるようになった。
①「銃を鍬に」プロジェクト モザンビーク・キリスト教協議会が主導したプロジェクト。旧約聖書イザヤ書の「剣をもって鋤(すき)とせよ」の教えに基づき考案され、戦後残った武器を回収して鋤や鍬などの農具や自転車などの生活を向上する物資に交換し、武装解除を進める目的で行われた。当初は、回収した武器は溶かして再利用する予定だったが、溶鉱炉不足から断念。回収した武器を二度と使えないように切断してアートとして活用するアイデアが生まれ、「武器をアートに」という理念が加わった。

フィエルさんは、同プロジェクトの中で、自身の思いをもとに数多くの作品を制作。回収された銃の素材を使って制作した作品「地球(globe)」は、今回国際平和ミュージアムに展示された。
フィエルさんは「銃の問題はモザンビークだけじゃない、世界中あちこちで起こっていることだから」と思いを口にした。平和を目指すこの活動については「海の水をスプーンですくうような果てしない活動だ」と語った。
同じく対談企画に登壇したNGO法人「四国グローバルネットワーク」(愛媛県松山市)の代表・竹内よし子さんは「おかしいものがあれば、おかしいと言わないと戦争って起きてしまう。(戦争を)起こさないために努力し続けないといけない」と訴える。
竹内さんは学生に対して、「こういう学生の行うワークショップへ関わってみてほしい。(学生が学生に)同じ目線で話すとずっと身近に感じられる。若い人たちがそのメッセージを一緒に受け止めて、発信してほしい」と学生への平和活動の思いを伝えた。

(金井)